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2018.01.05小児四肢疼痛発作症

明けましておめでとうございます。

昨年は沢山の方に助けて頂き、目標の一つであった「不妊治療・産前産後のケアに特化した鍼灸サロン」を始めることができました。

今年も更に精進を重ねていきますので、よろしくお願い致します。

 

 

さて、昨年末にこんなことがありました。

昔からの友人であるYさんが治療に来られている際に、最近また子供の癇癪が酷くて困っているというお話になりました。

そして何より、自分自身が幼少期の頃に困っていた症状が最近子供にも発症して不安なのだと。

 

その症状というのは、

・疲れたり寒くなると下半身の全面が痛みだす

・しばらくさすっていると楽になるが、痛む部分が同側・左右の足で移動する

・大人になるにつれて痛みが出ることは少なくなった

というもの。

 

さすって温まるということから血行障害かと思いましたが、痛みが左足から右足へ変わることから病変がどこにあるか見当もつきません。

知り合いの治療家の方に聞いてみたり、医学書を開いてみましたがさっぱりです。

 

そんなとき、Yさんから「もしかするとこれかもしれない」と連絡がきました。

それが「小児四肢疼痛発作症」という疾患の研究発表のデータでした。

 

この疾患は2016年5月に京都大学の小泉昭夫教授らの研究グループによって発表されました。

発表によると、昔から疳が強いといわれている子供の中には、遺伝子変異が原因で外的要因(寒さ、天候の変化)や体調不良、疲労などにより手足の痛みが誘発されやすい子がいるというものでした。

 

 

この疾患の特徴として

✔乳幼児期に発症する

✔手足や、手足の関節に起こる発作的な痛み

✔青年期にはほぼ痛みはなくなる

✔寒さ・悪天候で痛くなる

✔遺伝性がある(親族にも同じ症状をもつ人がいる)

という点があるそうです。

 

 

診断の確定には遺伝子検査が行われます。

ただし遺伝子検査を行ったとしても診断がつくことは50%以下。

よくわかないこともあるそうです。

 

そして現在この疾患に対する根本治療は不明で、痛みに対してはロキソニンや抗炎症性鎮痛薬や温罨 法(おんあんぽう)などで対処的に痛みをコントロールしていくそうです。

 

Yさんはお子様がまだ小さいこともあり、現時点での遺伝子検査はされていませんが、

京都大学の小泉昭夫教授によるとYさんもお子様も小児四肢疼痛発作症ではないかということでした。

 

 

Yさんは

「痛いと訴える子供をどうにかしてあげたい。自分も小さい頃から痛みが出て辛かったから娘の気持ちがよくわかります。

でもどこに行ったらいいかわからない。レントゲンを撮っても、検査をしても骨にもどこにも異常がないから、どうしたらいいか分からなくて・・・。それが辛いです。」

とおっしゃっていました。

 

親にとっても、自分にとっても、どうして痛いのか、どこが悪いのかわからずに痛みと向かうことも精神的にも辛いのです。

 

 

少し前まではただ疳が強い、癇癪持ちと大きなグループにひとくくりでしたが、このように日々研究が進み、泣きじゃくる子供も中には遺伝子の変異という原因があるということがわかりました。

現在、小児四肢疼痛発作症に対する根本的治療は研究段階ですが、この疾患の発見によって、痛いといって泣きじゃくる原因が分からないまま過ごす辛い状況は緩和されることと思います。

 

この疾患の痛みに対して、鍼灸師の私は何ができるのか・・・。

まだまだ勉強が必要ですね。

 

もしかして私も?!とピンと来られた方は是非こちらをお読みください↓↓

【京都大学 発表   小児四肢疼痛発作症について】

http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2016/160527_1.html

 

 

 

2017.09.19妊娠中の秋の過ごし方

こんにちは(^^)

9月も半分を過ぎて、ますます秋らしくなりましたね!

この時期は夏の疲れがドッと出てきたり、空気が変わり不調を感じやすくなる方も多いと思います。

 

妊娠中は特にホルモンバランスも1日1日変化するので、体調や心の状態もコロコロ変わりますよね。

だからこそ、季節に合わせた生活をして体を整えてみませんか?

 

 

妊娠中は血液中の水分の含有量が高くなることで、血液が薄くなり特に貧血傾向になりやすくなります。

それに加えて、夏を乗り切った体には造血の原料となるものが不足しているため、さらに貧血傾向に向かってしまいます。

 

実りの秋、食欲の秋・・・秋に美味しいものが多いのは、暑さで食欲が落ちて栄養不足になりやすい夏の体に栄養を補給するためかもしれませんね。

食欲が回復する秋の間に、美味しい食事から鉄分を補給しましょう!

 

そんな秋に摂って頂きたい食品は・・・

温かいスープ・レバー・あずき・たまご(加熱してあるもの)

あずき・レバー(動物の内臓)・たまごには鉄分が豊富なので、秋の鉄分補給にはおススメ。

わたしはレバーが苦手なので、鉄分の他に亜鉛や女性ホルモンを作る原料となるコレステロールを含んでいる砂肝を取り入れています。

またこれらのものと、フルーツのようなビタミンCを含む食材を一緒に摂ると鉄分の吸収を促進してくれます

 

よく鉄分補給にはほうれん草とも言われていますが、ほうれん草に含まれる鉄分は非ヘム鉄であり、体への吸収率は低くなります。

また、ほうれん草に含まれている苦み成分「シュウ酸」は鉄分と結合しやすい性質を持っています。

鉄分と結合しやすいと何が問題かというと、シュウ酸と結合してしまった鉄分は体内に吸収されることなく排泄されてしまい、利用される鉄分はほんのわずかだということ。

その他にも「シュウ酸」は味覚・食欲にかかわる「亜鉛」や、胎児の骨形成に不可欠なカルシウムなどの「ミネラル」とも結合し、便から排出してしまったり、結石の一因ともなってしまいます。

これらのことから、妊娠中はほうれん草ではなくあずきやレバーなど、他の食品から鉄分を補給しましょう

 

身体の水分を補給し蓄えるには、温かいスープ。

お味噌汁でも、スープでもどちらでも大丈夫です(^^)

やまいもやさつまいも、さといもなどの秋の養生に役立つ食材を具にするのがおすすめです。

注意することは、いくらおすすめの食材だからと言ってこればかりを食べたりしないこと。

体に良いとされるものでも、摂りすぎは毒となることを覚えていてください。

 

 

秋は「収:シュウ」の季節といって、気や汗を体内に収め、潤い(陰)を補う季節といわれています。

温かいスープ・食事からの鉄分補給など、季節に合った食事や生活をすることで、体と心を整え、日々を健やか過ごすことができますよ。

 

最近マタニティライフが始まった方も、あと少しで出産を迎える方も、赤ちゃんとご自身のために是非取り入れてみてくださいね。