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2018.02.15女性専門サロンになった理由

私は元々スポーツトレーナー志望でした。

そのために高校卒業後は新潟のトレーナーの専門学校にも通わせてもらったし、専門学校卒業後はスポーツ鍼灸の分野を学びたいと鍼灸師の学校にも通い、トレーナー活動もしていました。

結婚のタイミングで現場に出ることは難しくなったのですが、体のこと(主にケガや障害のことや治療のこと)を学びたくて整形外科に入社。

目標としていたスポーツの現場から離れた私には、まだはっきりとした目標は定められず、ただ漠然と整形外科疾患や鍼灸治療の勉強に励んでいました。

 

そんなとき自分の常識が崩れる出来事がありました。

そのことがきっかけで、この世に生まれてきた小さな命が健やかに成長できることは当たり前ではないのだと知ったのです。

命を授かることも、無事に出産に至ることも、そして産まれてきた赤ちゃんの成長を見守り続けられることも奇跡。

自分に起きたことじゃないのにとても哀しくて衝撃的で、とにかく泣きました。

しばらくはぼーっとしてました。

 

そんなことがあって、自分がなりたいのは”みんなの”じゃなくて

“女性”のための鍼灸師になろう、心に寄り添える鍼灸師になろうと決めました。

人生のなかでも心が大きく動き不安になりやすい妊娠・出産の時期に寄り添って、少しでも力になれたら。

しんどい時期に、誰か1人、愚痴や弱音を聞いてくれる治療家がいたら…。

「こんな治療院があったらいいな」「こんな鍼灸師の先生がいたらいいのにな」、そんな風に自分が思うのであれば、きっと他にもそう思う女性がいるのではないかと思い妊活・妊娠・出産期のケア専門の鍼灸サロンを立ち上げました。

 

女性同士、同じ環境を経験した者同士、共感しあい励ましあいながら、心地よく体のケアもできる鍼灸院にしたいと思っています。

 

 

 

2018.02.09お疲れ&神経ピリピリ基礎体温

2月に入りました(^^)3月からは春の季節に入ります。

冬の体作りも終盤に入りましたね。妊活女性の皆様、体は作り込めましたか?

体つくりの基本は栄養と睡眠です。この2つをあなどってはいけません!

 

さて基礎体温編、最後は【お疲れ&神経ピリピリ女性】の基礎体温編です。

さっそく基礎体温のグラフ例をドーーーーン!!!

全体的にジグザグして、高温期も低温期も横ばいになることが少ない。

こういうグラフの方は自律神経が常に交感神経優位となり、緊張や疲労が続いている方に多いです。

こんなジグザググラフをしているし、脈は弱いし、「疲れがたまっています」とお伝えしても中には「私は疲れてませんよ~」とおっしゃる方がいるのですが・・・

本人がそう思っていても、体は違うのです。

疲れを自覚している方の方がまだいいですね(^^;)

交感神経は戦闘神経です!戦うときに疲れなんか感じていられないので、痛みも疲れも感じにくくなるように体がしています。

まずはジグザグ基礎体温の方は疲労を自覚することから治療スタートです。

 

この状態を東洋医学で読み説くと、陰と陽のバランスが崩れている状態と読みます。

◎陰=血、水分、潤い、卵を育てるエストロゲン(卵胞)ホルモンもこちら分類されます。

◎陽=気、体温を上げ妊娠を維持するプロゲステロン(黄体)ホルモンはこちらに属します。

陰を失う原因は怒り、いつも頭フル回転、疲れたから甘いものが食べたくて毎日摂取する、睡眠不足といったところでしょうか。

陽を失うのはいつも気を張っている、誰かに気を遣っている、消化不良から気虚という「お疲れモード」に入り、それが悪化して体が冷える陽虚に陥ります。

 

お疲れ・ピリピリ溜め込みタイプの方の治療はまずは①疲れを自覚すること②疲れの原因を自己分析すること、この2つがとても大切です。

原因を知り、まずはその原因を減らす工夫をしてください。

どんなに鍼やお灸で体の力を補っても、サプリや漢方を飲んでみても、補うものより消耗する量が多いと治療の効果が得られません。

 

疲れやストレスが溜まり、自律神経のバランスが上手くとれていない方への鍼灸治療はこんな感じです。

◎自律神経調整ツボ

◎お仕事、家事、妊活から感じているストレスを緩和するリラックスツボ

◎使い過ぎの頭を休めるツボ

◎溜め込み体質から生まれた不必要なもの(痰湿・水分・熱など・・・)を取るツボ

これらを組み合わせてツボを選び治療していきます。

これらはほんの治療に使用するツボの一例ですが、場所が分かりやすいツボですので、ご自身で指などでも刺激しやすいと思います。

 

ガタガタグラフの改善は色々な要素が重なっているので効果が目に見えてわかるまで時間がかかりますし、何よりご自身でのストレスや疲れの原因を減らす工夫が大切です。

 

2018.01.31東洋医学で診る基礎体温~気虚・陽虚編~

まだまだ寒さが続きますね。

冷えは逆子の原因にもなりますので、妊娠中の方は温かくしてお過ごしくださいね。

 

前回は陰虚(いんきょ)タイプの方の基礎体温をご紹介しました。

低温期にぴょこぴょこと高温期並みにグラフがはねる

生理が始まっても体温が下がらない(ルトラールなどのホルモン剤を飲んでいないのに)

✔ほてりがある

✔肌や粘膜が乾燥気味

✔便秘気味

こんな方が陰虚(いんきょ)タイプです!このタイプの基礎体温がこちら☟

 

 

次はこんな基礎体温の方。

 

✔排卵後、体温が上がるのに時間がかかる

✔高温期にすぐ体温が落ちる

 

これは西洋医学でいう「黄体機能不全」という状態です。

黄体機能不全(高体温が続かない)状態のことを東洋医学では「陽虚:ようきょ」であると考えますが、この陽虚(ようきょ)という状態は「気虚:ききょ」が悪化して起こります。

気を使う、気が滅入る、気が張っている・・・私たちは「気」について、よくこんな例え方を使いますよね。

まさしくその「気」です。気には身体を覆い外からの刺激(ストレス・ウイルスなど)から守ってくれる免疫バリアとしての役割があります。

また、現代でいう酸素の役割もあるので、気虚の(ききょ)状態に陥ると息苦しくなったり、酸素不足から疲れやすくなったり、免疫バリアが弱まることから風邪をひきやすくなったりします。

気虚(ききょ)とは体を守るバリアでもあり、酸素でもある気が不足している状態のことを言います。

 

気を体の中で作るためのは脾や胃などの消化器系の働きがとても大切なのですが、

もともと消化が悪い方がストレスや疲労などで更に消化機能を低下させてしまうことで気が作れなくなり、気虚が悪化して陽虚(ようきょ)となってしまうのです。

 

 

陽虚(ようきょ)は字のイメージ通り、温かいエネルギーが体の中から不足している状態のことです。

消化機能が低下し、気を巡らせることができなくなるため血流が悪ったり、余分な水を排泄できずに停滞させてしまうので冷え起こしてしまいます。

 

子宮が冷えている、手足が冷えている、というような方の治療は冷えに対する治療だけではなく、ストレスや疲労などで消化機能が弱まっている体を助けてあげる治療を併せて行うことが重要です。

 

体も内臓もお疲れ気味(気虚)タイプの方・冷え(陽虚)タイプの方はこんな基礎体温。

 

 

気虚(ききょ)タイプの方は疲れがたまり、卵子を卵巣からポンッと出すことが出来なくなっています。そのためグラフは高温期にかけて徐々に上昇するカタチになります。

陽虚(ようきょ)タイプの方は、冷えがあるため高温期を維持する力が足りなくなっています。そのため、グラフは高温期になっても高温が続かなかったり、途中でガクッと下がるカタチになります。

 

 

陽虚(ようきょ)の方は気虚(ききょ)が進行しておこっているので、気虚(ききょ)の治療が根本治療のポイントになります。

 

気虚のケアにおすすめなのが・・・

だんちゅうは気が不足している体に気を補ってくれるツボです。

ろうきゅうは、お仕事や家事育児など、疲れた心と体をリラックスさせてくれるツボです。

 

陽虚のケアにおススメなのが・・・

 

ちゅうかんは消化器の働きを助け、気の生成を助けてくれるます。またお腹の動脈の近くのツボですので、子宮や卵巣への血流アップにもつながります。

ようりょうせんは字のごとく陽(あたたかいエネルギー)が湧く泉のようなツボです。お腹とセットでお灸をすることで効果が更に期待できます★

 

基礎体温のグラフの様子から読み取ることができるのは身体の本の一面ではありますが、クリニックに行かずに自分で自分の体を知れる大事な情報源です。

ぜひ今の自分の体を見つめなおしてみてください。

 

胃腸が弱く、消化機能が低下している方にとって肉などのタンパク質を増やすことは胃腸に負担をかけしまうことにも繋がりまずが、

よく噛むようにしたり、大豆製品(豆腐・納豆・厚揚げ)やかまぼこやちくわ、卵などを上手く活用してタンパク質増量生活お灸早寝生活を続けてくださいね。

 

2018.01.25東洋医学で診る基礎体温~陰虚編~

こんにちは(^^)

今週からまた冷え込みましたね!大阪もものすごく寒いです⛄

妊活に励んでいらっしゃる方、今妊娠真っただ中の方、冷えに注意してくださいね。

 

さて、妊活に励む方にとって”基礎体温”の計測はとても大切なのですが・・・

なかなか妊娠に至らない時期が続くと、計測自体がストレスに感じたりしますよね。

けれど基礎体温のグラフは、今現在のご自身の体のバランスを読み解く大切な情報源にもなるので、やはり続けて計測することをおススメします。

 

クリニックで提出する基礎体温から、ドクターが何を読み取っているかご存知ですか?

 

✔卵胞ホルモンの機能

✔黄体ホルモンの機能

✔排卵の有無

 

 

こんなところでしょうか。

卵を育てるホルモンが弱ければエストロゲンホルモンの補充を、高温期を維持するホルモンが弱ければプロゲステロンホルモンの補充をお薬や注射にて行います。

 

不妊鍼灸を行っている鍼灸院に行くと、基礎体温を見せてほしいと言われることがあると思います。

私もサロンに来られる方には基礎体温を見せて頂くようにしています。

お医者さんでもないのに・・・と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、鍼灸師なりの診るポイントがあるのです。

 

女性の周期は低温期と排卵期、高温期に分けられますよね。

東洋医学ではすべてのことを陰と陽に分けて考える(陰陽学説)ので、低温期は陰高温期は陽と診ます。

もし低温期にぴょこぴょこと高温期並みに体温が上がる方、もしくは月経が始まったのにも関わらず高温期が続く方は、体を潤す力(陰)が弱まり体内に不必要な熱がこもってしまうという見方をします。

これを東洋医学では陰虚(いんきょ)といいます。

 

陰虚の方はほてりや口の渇き、便秘がちで肌や粘膜の乾燥がみられます。

 

<陰虚の方のグラフ例↓>

こんな方には体の潤いを補い、不必要な熱をとるツボと体の潤いを補うツボを選び治療していきます。

 

 

何度も言うますが、陰虚(いんきょ)という状態は、体の中の「水」が足りておらず潤いがない状態のことをいいます。

熱を冷ますための水を補い、体に潤いが溜まるようなツボがお勧めです。

 

指でゆっくり押したり、お灸で温かい刺激を与えてあげましょう。

また陰は夜に作られますので、低温期に高温期並みにぴょこぴょこと体温が上がる方、生理が始まっているのに高体温が続く方は夜更かしをせずに早寝を心掛けてくださいね。

 

基礎体温のグラフに一喜一憂するのではなく、ご自身の体を知る一つの情報として計測を続けてみてください。

グラフからわかることはたくさんありますよ(^^)

 

2018.01.05小児四肢疼痛発作症

明けましておめでとうございます。

昨年は沢山の方に助けて頂き、目標の一つであった「不妊治療・産前産後のケアに特化した鍼灸サロン」を始めることができました。

今年も更に精進を重ねていきますので、よろしくお願い致します。

 

 

さて、昨年末にこんなことがありました。

昔からの友人であるYさんが治療に来られている際に、最近また子供の癇癪が酷くて困っているというお話になりました。

そして何より、自分自身が幼少期の頃に困っていた症状が最近子供にも発症して不安なのだと。

 

その症状というのは、

・疲れたり寒くなると下半身の全面が痛みだす

・しばらくさすっていると楽になるが、痛む部分が同側・左右の足で移動する

・大人になるにつれて痛みが出ることは少なくなった

というもの。

 

さすって温まるということから血行障害かと思いましたが、痛みが左足から右足へ変わることから病変がどこにあるか見当もつきません。

知り合いの治療家の方に聞いてみたり、医学書を開いてみましたがさっぱりです。

 

そんなとき、Yさんから「もしかするとこれかもしれない」と連絡がきました。

それが「小児四肢疼痛発作症」という疾患の研究発表のデータでした。

 

この疾患は2016年5月に京都大学の小泉昭夫教授らの研究グループによって発表されました。

発表によると、昔から疳が強いといわれている子供の中には、遺伝子変異が原因で外的要因(寒さ、天候の変化)や体調不良、疲労などにより手足の痛みが誘発されやすい子がいるというものでした。

 

 

この疾患の特徴として

✔乳幼児期に発症する

✔手足や、手足の関節に起こる発作的な痛み

✔青年期にはほぼ痛みはなくなる

✔寒さ・悪天候で痛くなる

✔遺伝性がある(親族にも同じ症状をもつ人がいる)

という点があるそうです。

 

 

診断の確定には遺伝子検査が行われます。

ただし遺伝子検査を行ったとしても診断がつくことは50%以下。

よくわかないこともあるそうです。

 

そして現在この疾患に対する根本治療は不明で、痛みに対してはロキソニンや抗炎症性鎮痛薬や温罨 法(おんあんぽう)などで対処的に痛みをコントロールしていくそうです。

 

Yさんはお子様がまだ小さいこともあり、現時点での遺伝子検査はされていませんが、

京都大学の小泉昭夫教授によるとYさんもお子様も小児四肢疼痛発作症ではないかということでした。

 

 

Yさんは

「痛いと訴える子供をどうにかしてあげたい。自分も小さい頃から痛みが出て辛かったから娘の気持ちがよくわかります。

でもどこに行ったらいいかわからない。レントゲンを撮っても、検査をしても骨にもどこにも異常がないから、どうしたらいいか分からなくて・・・。それが辛いです。」

とおっしゃっていました。

 

親にとっても、自分にとっても、どうして痛いのか、どこが悪いのかわからずに痛みと向かうことも精神的にも辛いのです。

 

 

少し前まではただ疳が強い、癇癪持ちと大きなグループにひとくくりでしたが、このように日々研究が進み、泣きじゃくる子供も中には遺伝子の変異という原因があるということがわかりました。

現在、小児四肢疼痛発作症に対する根本的治療は研究段階ですが、この疾患の発見によって、痛いといって泣きじゃくる原因が分からないまま過ごす辛い状況は緩和されることと思います。

 

この疾患の痛みに対して、鍼灸師の私は何ができるのか・・・。

まだまだ勉強が必要ですね。

 

もしかして私も?!とピンと来られた方は是非こちらをお読みください↓↓

【京都大学 発表   小児四肢疼痛発作症について】

http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2016/160527_1.html

 

 

 

2017.12.15妊娠前から育児は始まっている

こんにちは。鍼灸師の楠田由佳です。

ここ数日はぐっと冷え込みましたね(;’∀’)

 

さて、12月26日でLuLie鍼灸院をオープンして半年になります。

このような小さなサロンにもかかわらず、友達の紹介でもなくご新規で来て下さる方もいらして、感謝しかありません。

オープン後、半年で4名の方から「妊娠反応がでました」とご報告いただきました。

連絡を頂いた瞬間、私まですごく嬉しくなります!本当におめでとうございます!

きっとこんな短期間で結果がでるということは、私のところで治療しなくても、もともと赤ちゃんを授かる力はお持ちだったのだと思います。

 

 

さて、わたしは妊娠前、妊娠中、産後のケアを一貫して行うことがとても大事だと考えています

 

まず着床・妊娠、そして出産にはとてつもなくパワー(栄養・気血)が必要です。

栄養・気血、そして精神面・・・すべての土台がしっかりと固まっていらっしゃる方は、妊娠初期から出産まで元気に過ごされている方が多いです。

逆に体の土台がぐしゃぐしゃ・ゆるゆるの体のままの妊娠されると、マタニティ期・出産後の不調やトラブルが多くなります。

だから妊娠前から体を整えておく必要があるのです。

 

 

妊娠すると、どんなにどんなに補給しても、お母さんの栄養は赤ちゃんの成長にぐんぐん使われます。

栄養と気血は、妊娠中だけに限らずいつも補給して満たしておかなければなりません。

 

栄養と気血が足りていないと、月経前の不快症状が強くなったり(PMS)、精神的に不安定になりやすくなります。

●疲れやすい

●肩こりや頸のこり感が強い

●不安感を感じやすい

●髪や肌がぱさぱさ

 

こんな方は栄養と気血が足りていない証拠です。

 

栄養・気血が足りていない状態のまま、運よく妊娠できたとします。

体がすかすかのまま出産を迎え、育児へ突入してしまうと・・・そこはもう想像を絶する戦場なのです。

 

赤ちゃんとの生活は可愛いだけではありません。自分のタイミングでできないこと、思い通りにできないことしかありません。

睡眠不足も続きます。朝までぐっすり寝ることができると奇跡が起きたとさえ思う日々です。

小さな赤ちゃんの命を守っているので、知らず知らずのうちに日々緊張状態が続きます。交感神経が24時間フル活動なのです。

 

そんな過酷な毎日を、栄養不足・気血不足の体のままいつまで耐えられるのでしょうか。

だんだん気持ちが滅入ってきて、わけもなくイライラしたり泣きたくなったり…。

いつも気持ちが不安定、めそめそしてしまう、そんなお母さんと接していると、子供も同じように精神的に乱れやすくなってしまいます。

 

そうすると負のスパイラルですね((+_+))

 

そんな時は、まずご自身の体を大切にしてください。

おいしい物を食べる(お菓子やスイーツではなく)、旦那さんに一晩子供を預けてぐっすり寝る、マッサージを受けに行く・・・。

 

お母さんの体を妊娠前から整えておくことは、産後の育児を楽にするためでもあります。

育児は妊娠前から始まっているのです。

冬は気血・精力を貯金する季節!

ギスギスの育児にしないために、妊活中の方・妊娠中の方は出来る限り早く寝てください。

夜間の授乳で寝れない方も、赤ちゃんが寝た後に携帯やテレビを見て過ごすのではなく、少しでも一緒に寝てくださいね。

 

2017.11.30冬の妊活

こんにちは!

気付けばもう12月ですね。いよいよ冬本番です。

これからの3ヶ月間は来年の春にのびのびと過ごすためのパワーを貯める大切な期間で、妊活に取り組んでいらっしゃる方には特に大切な季節です。

 

冬は「蔵:ゾウ」の季節と言われています。

字の通り、秋に収穫した作物を蔵に貯蔵するようにエネルギーを貯めこむ季節なのです。

冬の3か月の間に、しっかりと陽気(温かいエネルギー)陰分(血液や体内の水分)を体に蓄えておかなければなりません。

 

冬の妊活ポイントは「早寝・足元の保温・汗を沢山かかないこと。

 

足元の保温は「陽気」を逃がさないようにするため、また冷気の体への侵入を防ぐためです。

東洋医学では血液や水分などの「陰分」は夜寝ることで作られ補充されていくとされているので、早寝をして睡眠時間を出来る限り長くしましょう。

 

また妊活には運動がよいと聞き一生懸命運動されている方もいらっしゃいますが、冬の養生法にのっとってみると、汗をかくほどの運動はお勧めしません。

冬は朝の太陽を浴びながらの軽めの散歩や、家でのストレッチのような汗をかかない程度の運動がおすすめです。

これは汗とともに気血が消耗してしまうのを防ぐためです。

 

✅基礎体温がガタガタの方

✅生理の時の出血量が極端に少ない方

✅肩や首のコリが強い方

✅目の疲れが酷くドライアイの方

✅疲れやすい方

 

こんな方は気血が足りていない方です。

早寝生活を実践してみてください。寝る時間は早ければ早いほど良いです。

 

 

そして冬は「」が主さどる季節でもあります。

腎は東洋医学では腎は生命活動や妊娠・出産に関わるとっても重要な臓

特に妊活中の方の妊娠する力、妊娠を維持する力を養うためには腎を補ってあげることが必要不可欠なのです。

 

腎を補う方法としては食事やツボへの刺激があります。

「湧泉:ゆうせん」は生きるためのエネルギーが湧き出るツボとされています。

お灸で温熱刺激を与えたり、指で2~3秒ほど押すなどして気持ちの良い刺激を入れてみてください。

 

 

そして腎を養う食材としては

✅黒豆や黒ゴマなどの黒い食材

✅わかめや昆布などの自然のしょっぱい食材

があると言われています。

少しずつ献立の中に取り入れてみてください(^^)

 

実はこの腎を補う食材ににプラスしてほしいのが、お肉や魚、卵などの「タンパク質」です。

タンパク質は筋肉や爪、髪などを作るだけではなく、免疫やへモブロビンの原料にもなる主成分。

ついついご飯やパスタなど炭水化物の比率が多くなってしまうのですが、「タンパク質>炭水化物」が理想のバランスです。

特に高温期でも基礎体温が低い方には、タンパク質をしっかりと取り入れてほしいのです。

 

ただしタンパク質の過剰摂取は腎臓に負担をかけてしまうので注意も必要です。

食事にしっかりと取り入れているのにも関わらず、プロテインなどでさらに摂取することはやめましょう。

 

これらは今すぐ自分で始められる妊娠治療ですね。

冬が勝負です!

 

 

12月はイベントも多く日々忙しくなります。寒さも厳しくなり体調を崩してしまう方も多いです。

皆さま、どうかご自愛ください。

2017.11.20なぜ、今さら小児鍼?

小児鍼って、ご存知ですか?”赤ちゃん鍼”や”こどもの鍼”とも言われたりしています。

小児鍼は大阪発祥の技術で、小児鍼専用の器具を用いて軽くさすることで刺激を与える鍼の一種です。

刺したりせず、さするだけだから受けている本人も気持ちがいい。

そして親は注射のように、「痛ーいっ!」と泣き叫ぶ子供を見ずに済むから心が痛みません(^^)

 

私は娘に0歳の頃から定期的に小児鍼をしています。

きっかけは夜泣きでした。

 

抱っこでしか寝付かない、やっと寝付いて布団に寝かせても30分ほどで起きる、だから昼でも夜でも胸の上で抱っこしたまま寝かせていました。

始めはすべてが可愛くて愛おしくても、そんな状態が半年以上続くとさすがに疲労とイライラが溜まります。

主人は娘が隣で泣いていても起き上がろうともしないので、余計に腹が立ちます。

 

だから小児鍼を始めました。

小児鍼をしたからといって、急に「朝までぐっすりでした!」なんてことはありませんが、徐々に30分が1時間になり、1時間半になり、布団に寝かせても寝てくれる時間が長くなっていきました。

 

それは小児鍼のおかげだったのか、ただ成長により寝方を覚えて長くなったのかは正直分かりませんが、それでも私自身の気持ちが楽になっていったのは覚えています。

現在2歳半になり夜泣きがなくなった今でも、鼻詰まりがひどい時、夜中に咳がひどくなる時など、風邪症状の時にも行っています。

 

小児鍼で治療できる症状は沢山あります。

 

①睡眠障害:夜泣き、夜驚症

②異常興奮:よく怒る、よくケンカをする、人をかむ、物を投げつける

③摂食不良:食べない子、口内炎、腹痛、便秘、下痢、好き嫌いの多い子

④排尿障害:夜尿症

⑤呼吸器系の症状:小児喘息、風邪、扁桃腺炎、鼻炎

⑥その他:アトピー性皮膚炎、湿疹、チック症、どもり、中耳炎など・・・

 

ここに載せていないものもあります。

 

ワクチンの完成のおかげで小児の疫病の流行は少なくなりましたが、その分子供が獲得していかなければならない免疫力が低下してしまっています。

大人になってストレス社会の中に身を置くようになると、その免疫力の低下が顕著に現れます。

 

自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスを整え免疫力を高める、しかも気持ちの良い方法が小児鍼なのです。

 

 

誰のために受けさせるのか…答えは母親です。

医学が進歩しワクチンも普及した今、なぜ小児鍼なのか。

もちろん子供の免疫力獲得も大きな理由の一つですが、小児鍼は虐待予防にもなるからです

 

近年、毎日のように親からの虐待によってなくなる子供のニュースが後を絶ちませんよね。

虐待の原因は色々ありますが、それまで大切に可愛がって育ててきた両親が少しずつ変わってしまう、その初めはとても些細なことから始まると思います。

 

「寝ない」「食べない」「自分の思い通りにならない」「よくケンカをする」

これは半健康状態といえます。

病名がつくわけではありません、実際病気でもありません。けれど、すこぶる健康というわけでもない、そんな状態。

この半健康状態が長く続くと、精神的に親はゆとりをなくしてしまいます。

 

特に妊娠・出産した後は、子供と2人で狭い世界にいるような気がする時期ですよね。

睡眠不足・思い通り物事が進まない、しかもいつ終わるかもわからないイライラがたまるしんどさを、男性には理解してもらえないと思います。

 

小児鍼をするとよく寝る、食べれるようになる、丈夫に育ってくれる。

そうなると、すこーしだけ気持ちが楽になります。可愛い子供を、大きな気持ちで見守ることができます。

 

また治療を受けるために外へ出ます。小児鍼を受けるのだから、鍼灸院側も赤ちゃんが泣いていても気にしない。

お母さんの気分転換にもなります(^^)

 

 

整体でも子供の治療は親の治療ともいいます。

親は子供の鏡だから、イライラしたり、気が立ってると子供までそうなってしまう。

実際、幼い頃からの両親からの養育態度(特にお母さんの態度)と、腰痛や肩こりなどの疼痛には関係があると研究結果が出ています。

そのくらいお母さんの子供に与える影響は大きいのです。

 

子供のため、お母さん自身のゆとりを生み出すものが小児鍼です。

 

2017.11.07ラスト・東洋医学とは part7

臓腑弁証の最後の場所は「腎・膀胱」です。

この臓腑は授業でも時間をかけて行うし、ノートのぺージ数もボリュームがあり、しっかりと勉強するところ。

生殖器系の働きも持つので、女性の不妊症や月経にも深く関わってくる臓腑です。では早速本題へ!

 

 

腎は第2腰椎の高さにあり、左右1つずつ存在しています。

色は黒色で、豆のような形をしているとされています。

 

腎は“蔵精を主る”とされていて、成長発育生殖に深く関係のある臓腑。

精とは生きるためのエネルギーのことで(生命力)、両親から受け継いだもの(先天の精)と、飲食物を脾と胃の力でエネルギーに変えたもの(後天の精)の2つあります。

この精と呼ばれるエネルギーはすでに幼年期の頃から増え始め、正常に増えていくことで歯がはえ、髪の毛が伸び、年頃になり満たされると月経を起こしてくれます。

そしてこの腎精は年齢と共に増減していき、老年期になると腎精は衰え、性機能と生殖能力はこれに伴って減退・消失していきます。

 

このように腎精が満たされていると、正常に成長していくことができますが、腎の機能が弱まったり、腎精をむやみに消費すると月経に異常をきたしたり、不妊症に悩まされたり、年を重ねたときに更年期障害を引き起こしてしまいます。

不妊症の方の治療では、必ずこの腎精(エネルギー)を補うような治療を組み込みます。

 

そして“水を主る”とも言われており、体内の津液(水分)の貯蔵や運行、排泄をコントロールしてくれています。

腎の働きが元気であれば体内の水分調節は上手く行われ、一定の水分量をキープできていますが、働きが滞ると浮腫みや下痢、尿の排泄ができなくなります。

 

また“納気を主る”ともいって、肺に入った酸素を腎の高さ(腰から下)に下り納める働きを持っています。

お臍の下の丹田という場所まで深く呼吸を取り入れることで、呼吸が浅くならないようにしてくれています。

浅い呼吸は交感神経が働いている証拠。ゆったりと深い呼吸を行うことでリラックスへ導くことができ、結果全身へ血流に乗せて酸素や栄養を運ぶことができます。

 

腎の中の精(生命エネルギー)は、生命活動の源であり、元になります。

このエネルギーは陰と陽の2つにわけることができるのです。

 

以前「陰陽論」の回でご説明していますが、自然界の中に存在するものはすべて陰と陽に分けることができます。そして左右合わせて2つある腎も陰陽に分けることができ、また働きも左右の腎で異なります。

これらは陰の元、陽の元ともいわれるくらい、体の陰陽のバランスにおいてとても大切な場所。

陰である右に存在する腎は、その性質を使って体内の熱の発生を防いだり、滋養する働きを持ちます。

陽である左に存在してる腎は、体を温めたり成長を促すことが得意です。

 

 

腎は正常な成長に深く関わることから、その異常は骨や歯、脳にも現れてきます。

腎の働きが正常な時は骨や歯は丈夫で、また知能も正常ですが、働きが弱まると骨や歯がもろくなったり、小児の泉門閉鎖が遅くなったり発育不良が起こります。

 

また、その他にも髪や耳、唾などにも異常を出すことによって不調のサインを送ります。

髪の毛の艶がない、白髪が増える、脱毛、排尿障害や不妊、難聴などのような症状は腎の機能が弱まっているサイン。

年を重ねて白髪が増えたり、耳が遠くなったり、骨がもろくなったりするのは、年齢とともに腎精が減り、そのサインが髪の毛に現れているからなのです。

 

腎は「驚・怖」といった感情も主っています。

恐は物事に対して恐れる精神状態のこと。自覚のあるもの、おどおどした状態のことを言います。

驚は突然受けるショックのようなもので、自覚なく突然起こります。

これらは2つとも不良感情であり、気を下降させ、乱れさせる働きを持ちます。

 

腎とペアになっている「膀胱」。

膀胱はお臍の下にあり、腎の下、大腸の前に存在している腑です。

 

東洋医学でも、膀胱は袋状をしていて、尿を貯めたり出したりする働きを持つとされています。

余分な津液(水分)や食べ物のカスの中の水分から尿を作り、膀胱に一定時間貯めた後、大鯨へ排泄する働きを持っています。

 

 

以上で五臓六腑の各臓腑の働きのお話は終わりです。

東洋医学で面白いところは、感情や色、季節といったものまで臓腑に関係していると考えるところ。

逆に難しいところは、一つの働き(水分を作る、気を巡らすなど・・・)に関して、いくつかの臓腑が関わって働いていること。

だから東洋医学で治療をする際は、症状が出ている1つの臓腑だけを治療するのではなくて、そこに関係するいくつかの臓腑を同時に治療してあげないといけないのですね。

 

西洋医学と東洋医学、うまく使い分けて選択してください(^^)

2017.11.02東洋医学とは part6

前回は女性に是非知って頂きたい「脾・胃」をご紹介しました。

今回は「肺・大腸」。

私の中では存在が薄い方の「肺・大腸」ですが、やはりとても大事な仕事をしてくれています。

 

肺は五つの臓と六つの腑の中で一番高位にあり、外邪(外からの病気の原因となるもの)の影響を受けやすい臓であることから、「嬌臓:きょうぞう」ともいわれています。

 

嬌=きゃしゃ、か弱いという意味です。

 

肺には百脈が集まるとされていて、管理と調節を担い体のバランスをコントロールしてくれています。

①呼吸を調節する

②気の流れを調節する

③血の運行を調節する

④津液(水分)の運行を調節する

 

 

人間の体は「気・血・津液」で構成されているとされているので、肺は私たちが生きるのに必要なものすべてのコントロールをしてくれているワケですね。

 

肺が元気でこれらの仕事を正常に行えている時は、呼吸はよく通り、外からのウイルスの侵入(外邪の侵入)には外へ発散し対応することができます。

 

逆に機能が低下してしまうと、栄養不良や汗の異常、鼻水が出たり鼻詰まりを起こします。

また尿が出にくくなり咳や痰が出るといった異常が現れます。

 

肺は皮毛(皮膚・体毛)を司っており、外からのウイルスや病気の元となるもの(外邪)から体を守る役目があります。

この働きのおかげで皮膚は適度に潤いを保持することができますが、肺の機能に異常をきたすと皮膚が乾燥したり、湿疹や皮膚アレルギーを起こしてしまいます。

 

また肺は鼻・涕(はなみず)と深い関係があるので元気な時は呼吸、嗅覚、発声を正常に行うことができますが、機能が弱まると鼻詰まりやくしゃみ、嗅覚が異常になる等の症状が現れます。

 

そして、肺は「憂・悲」という感情を司る臓なので悲しみすぎたり、憂いてばかりいると気を損傷してしまうためにため息が多くなったり、胸がつかえて苦しくなったりします。

辛い物を食べ過ぎると肺を痛めてしまいますので気をつけてください。

 

 

肺とペアになっている大腸は、東洋医学でも回腸から肛門までの腸のことを指します。

大腸は小腸が飲食物を必要な物・不必要なものに分別したもののうち、不必要なものだけを受け取り、その中から余分な水液を再吸収して、便として末端に送り外へ排出します。

この働きは、胃と肺の下へ降ろす力と協力して行われているので、大腸・胃・腎の誰か一人でも弱ってしまうと正常に行われません。

 

 

 

このように、肺って実はすごい働き者なのですが、肝や脾、腎などに比べると私の中ではどうも存在感が薄くなってしまいます。

ですが復習することで肺の機能の重要さに気付くことができますね。

また、治療に取りこんでいきます(^^)

辛い物の食べ過ぎ、悲しみすぎ、憂いすぎはやめて、肺を大切にしていきましょう。

次はラストの腎です!あと1回、お付き合いくださいませ。