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2017.10.27東洋医学とは part5

こんにちは!

先週末の台風はとても勢力が大きかったですね。大阪に来て10年になりますが、こんなに台風が怖いと思ったことは初めてかも・・・。

みなさまの周りは被害ありませんでしたか?

 

さて、今日は女性にはよく知ってほしい「脾・胃」のお話です。

不妊の方の治療をする時だけではなく、女の人の体を診るときはとても重要なポイントとして診ています。

それはなぜか・・・さっそく始めます!

 

脾は横隔膜の下あたり、胃と同じ膜の上にあるとされています。

形は馬蹄のような三日月のような形をしていて、飲食物の消化に深く関わり、気・血・津液(体の水分)の大元とされています。

 

西洋医学的な脾(臓)のとらえ方は免疫や造血、血液の貯蔵に関わるとされているので、東洋医学的なとらえ方と大差はありませんね。

 

東洋医学的な脾の働きのとらえ方は

〇食べた物をエネルギーの元に変換する

〇内臓が下がらないようにつなぎとめる

〇栄養物質を全身に運ぶ

〇吸収した栄養や水分を全身に運ぶ

〇血が脈外へ漏れ出さないように調節する

 

なかなかの働き者です(^^;

これらの機能によって、私たちは手足を正常に動かすことができ、各臓腑の間で繋がっている経絡が正常に流れるのです。

 

もしもこんな働き者の脾が過労で弱ってしまい、正常に働くことができなかったら・・・

 

食欲は弱まり、食べても消化不良を起こして栄養を吸収できなくなります。

栄養を吸収できていないので肌肉は痩せ、エネルギーがないのでいつも無力感があり、動くとすぐに疲れてしまう。

内臓を持ち上げる力がなくなってしまうので胃下垂や子宮下垂、脱肛なども脾の機能低下による症状の1つです。

月経の際に血量が多かったり、周期が短い(月経過多)のは、脾の血を固める力が弱まっていることが原因と考えます。

 

脾は「思(う)」という感情を司っています。思うとは思慮・思考のこと。

考えすぎや憂鬱が続くと脾が痛み、気の運動を妨げ、気滞や気結を起こしやすくなります。

気滞は文字の通り「気が停滞」してしまうことですが、この状態になると胸や脇が苦しい感じになり息苦しさを感じたり、お腹が張ってきます。

 

冒頭に、特に女の人に知ってほしいと言ったのはこのことなのです。

少し先のことにも備えておきたい習性をもつ女性は、考え事がとにかく多い。私もそうです。

そしてまだ起こっていない2歩も3歩先の心配も自ら探して、作って、また考える項目を増やしてしまう傾向があります。

こんなことをしていたら脾は24時間勤務をしているのと同じなので、慢性的に疲れてしまいます。

 

考え事は減らし、先のことは1歩先のことだけを考えましょう(お仕事は別として)。

それくらいが、女性にはちょうどいいのかもしれません。

 

脾の状態が現れる体の場所として、口や唇、涎(よだれ)があります。

食べることと深い関係があるため、すべて味覚に関係していますね。

唇は気血の状態を表すので、唇が割れやすい、血色が悪い(色が薄い、青紫色)唇をされている方は脾の機能が弱まり、気血が足りていない状態の方です。

 

脾とペアである胃の働きは食べた物を受け入れ、消化し、そして小腸に降ろすことです。

そのことを東洋医学では「受納・腐熟・通降」といいます。

 

食べた物を胃に受け入れ、消化し、小腸へ送ることで新たなスペースを作り、また食べ物を受け入れることができ、私たちは生きるための血や水分や気を作ることができるのです。

もし胃の働きが弱まり、この一連の働きが低下してしまうと、しゃっくりや胸やけ、吐き気として体に現れます。

 

 

 

そして、脾と胃が消化するものは食べ物だけではありません。

嫌なこと、不快に感じたこと、あなた自身に起こった物事すべてのこと指します。

 

納得してすっきりする様子を「腑に落ちる」と表現しますよね?腑は臓腑の腑です。

自身が納得出来ていないことは、ずーっと頭や心やお腹にとどまり、停滞して、そして体を傷つけてしまっているのです。

もちろん、全てのことをきれいさっぱり終わらせることなんてできませんが、

それならそのことに捕らわれるのをやめて断つ努力をしましょう。それはあなたの体のためでもあります。

 

不妊治療に来られる方や、どこかに不調を抱えている方はこの考えすぎ・物事の消化が得意ではない方が多いと思います。

考えを断つ・減らす努力をしていきましょうね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2017.10.22東洋医学とは part4

こんにちは。鍼灸師の楠田由佳です。

ここしばらくはお灸講座のリーフレット作りや、娘の看病でばたばたしておりました(^^;)

 

東洋医学を知りたいという方向けのシリーズなので、興味のない方はスルーしてくださいね。

ですが、こうやって東洋医学について教科書やノートを開いてまとめていると、やはり勉強にもなって、患者様に説明させて頂く際に伝えやすくなってきました!

 

資格を取ってからが、本当の勉強の日々ですね。

では早速本題に入りましょう!肝と胆のペアの次は「心・小腸」のペアです!

 

心は肺の下で横隔膜の上に位置していて、4本のつり糸が出ており、他の4つの臓(肝・脾・肺・腎)に通じているとされています。

 

心の仕事は

①血脈の流れをコントロールすること

②精神活動を支配すること

 

 

血を押し出し、血脈中を運行させ、体の中の各組織・器官に栄養を送り届けてくれます。

正常に働いていると脈(拍動)は規則正しく打ち、力強く滑らか。

しかし心の働きが弱まり血脈がスムーズに流れなくなると・・・

脈は弱く、渋るような、ぎこちない脈となります。不整脈の方に多くみられます。

 

また精神活動を支配しているので、心の安定と調和を保ってくれるように働いてくれています。

そのため心は「神(精神)」を宿すとも言われています。

 

心の働きが正常で血で満たされている時、私たちの精神は安定し、思考は正常に働きます。

問題に対しても思考がよく働きますが、機能が弱まってくると不安や焦燥感にかられたり、不眠や夢を多く見るなど睡眠にも症状が現れます。

 

心の健康状態は顔・舌・汗など場所に現れます。

心が元気に働いてくれていると、顔は艶が出て潤いがあり、味覚は正常に働き、自分の精神(考え)を伝えるために舌を使って話すことができます(^^)

心が元気ない時ってありますよね?そんな時、今日は顔が暗いね~なんて言われたことありませんでしたか?

心の状態は顔に現れます。

 

他には喜びなどの働きも備えています

「心の汗」と例えて言ったりもしますが、臓象学説では心は汗を司るとしていて、温度や運動量に合わせて汗の量を調節してくれるといわれています。

また心は「喜」という感情を司っています。

喜ぶという感情は、人体に対していい刺激を与えてくれる感情ですが、喜びすぎるとかえって心神を傷つけてしまいます。

嬉しいことがあった時こそ、気を引き締めないとですね。

 

 

心とペアを組んでいる小腸は胃の下口(幽門)に接していて、食べ物を入れ、大腸の上口と接するとされています。

体の中の位置関係といい、西洋医学的な小腸の概念とほぼ同じですね。

小腸の働きは

1・胃から送られて飲食物を受け取り、更に消化してエネルギー(水穀の精微)と変化させること

2・その消化した飲食物を、人体に有益なものか・不要なものかに分別すること

 

 

食べた物を消化し、エネルギーに変え、必要のないものは水分と混ぜて便として排泄させるのが小腸の働きです。

小腸の働きが悪くなってしまうと、下痢や下腹部痛・尿の異常(血尿や排尿時通)として現れます。

小腸は、西洋医学でも東洋医学でも消化と排泄に関係しているとされているので分かりやすいですね(^^♪

 

心と小腸ペアについては以上です!

東洋医学シリーズはマニアックな方向けなので、長引かせたくないのですが・・・

次のペアは女性にとってとても重要な場所なので、濃く濃くお伝えしたいなと思います。

 

 

2017.10.04東洋医学とは? part3

こんにちは!

息抜きに違うテーマをいくつか挟みましたが、そろそろ東洋医学シリーズを再開していきたいと思います。

 

次にご紹介する理論は臓象学説といって、臓腑にはそれぞれ役目や関係の深い器官があると考えて、「今不調を起こしているのはどこの臓腑かなぁ~」と考えていく理論です。

私たち鍼灸師は患者さんの訴える症状や、体に現れているサインを読み取って、どこの臓腑がどんな病によって弱っているかを考えて治療方針を組み立てていくので、この考え方はとっても大切です。

 

「臓=内臓」「象=外に現れている内臓の不調サイン」

 

人の不調や病の現象を観察して、各臓腑と照らし合わせることによって、その相互関係を解き明かす理論のことです。

はるか昔の人たちが解剖を行うことで得た解剖知識や、症状とその原因の関係性を長い歴史をかけて観察して得た知識と経験から成り立っています。

 

臓腑とは内臓の総称のことで、「肝・心・脾・肺・腎」の五臓と、「胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦」の六腑を指します。

この五臓六腑にはそれぞれペアとなる相手がいて、ペア同士・ほかの臓腑同士でお互いにバランスを保ちつつ、助け合ったりして正常な働きを行っています。

 

まず、肝と胆のペアからいきましょう。

肝の働きは「気血が止まらないように動かすこと」です。

中に取り込んだり外に出したり、上にあげたり下にさげたり常に気血を動かし巡らすことで、人が正常に生命活動を行えるのです。

 

そしてもう一つの働きは「血を貯蔵する」こと。これは西洋医学的な解剖と同じですね。

イラストは肝が関係している(司っている)器官や物事を集めたものです。

体の器官だけではなく、感情や意志、味覚や季節などもあります。こういう点が西洋医学と東洋医学の大きな違いです。

 

さて肝の働きがスムーズに行われていると、筋肉はスムーズに動くので機敏に力強く動くことができます。

爪はほんのり赤く艶があり、硬さもあるので簡単に割れたりもしません。目は適度に潤いを保つことができ、ドライアイになることもなく物事がよく見えます。

 

しかし何らかのことが原因となり働きが弱くなると・・・

イライラしやすくなったり、爪が白く割れやすくなったり、肝の病(肝硬変など)におかされ目が黄色くなったり、肝に関係する器官にサインが現れるようになります。

 

なんのこっちゃかと思いますか?

運動後にたくさん筋肉を使った後、疲労回復には梅干しやクエン酸を摂取すると良いとされていますが、どちらも酸っぱいもの。

青春のことを「青い春」と、春といえば世間一般的なイメージではピンクですが、青を使って表現しています。

気づいていないうちに、実は臓象学説に触れてたりします。こう考えると、すこーしだけ身近に思えてきますよね。

 

 

もう一つ、肝とペアとされている「胆」の働きは「胆汁の貯蔵と排泄」。

胆汁は脂肪の吸収を助ける分泌液です。このことから、食べたものをスムーズに消化にするために大切な場所です。

そして「決断を司る」ともいわれています。

肝が巡らした考えを、胆が決断を下すことで行動力の源となるのです。胆の働きが低下するとよくため息がでたり、頭の中であれこれ考えはするけれど中々決断を下せず、行動に移せなくなってしまいます。

 

 

ものすごくイライラしたときに、「腹が立った」「カッとして頭に血がのぼった」など、実際怒ってもおなかは立ってないし、血がのぼっているわけではないけれど、昔から日本人は身体を使ってこんな風に例えてきました。

 

このことを鍼灸の学校の授業で教えて頂いたときに、わたしは東洋医学をとても身近に感じ、そしてもっと知りたい、深く勉強したいと思いました。

 

難しそうな東洋医学ですが、みなさんに少しでも知って頂いて好きになってほしいです(^^)

2017.09.27ベビ待ちの方が、してはいけないこと

今日は、いつもと少し違ったことをお話ししてみようと思います。

 

「赤ちゃんを望む女性が、特にしてはいけないこと」

みなさん、何だと思いますか?

冷えないようにすること?食事に気をつけること?妊活にばかり捕らわれないこと?

それももちろん大切です。

 

もっとしてはいけないこと・・・

それは「悪意を持つこと、向けること」です。

 

お腹の大きな女性を見た時・・・

マタニティマークをつけている方を見たとき・・・

モヤッと、くろーい感情が芽生える時ありますか?または、ありましたか?

 

 

例えば「お腹が大きくなってまでマタニティマークつけて!つけなくても分かるじゃない!」

 

もちろんこれは例えです。意地悪な考えは、今すぐ捨ててしまいましょうね。

そんな人いませんよー!と思うかもしれませんが、悲しいことに、ごくごくたまに、ほんの数人いらっしゃるのです。

妊活期間が長ければ長いほど余裕もなくなってしまうものなので、当たり前といえば当たり前なのですがー・・・。

 

 

 

脳と悪口の関係をご存知ですか?

悪口を口に出せば出すほど、自分のストレスは増えるし、老化へと進んでしまうそうです。

それは、脳は主語を理解できないので、口に出した言葉はすべて自分に言われているのと同じ状態になってしまうから。

そして、悪口を言われた脳はストレスホルモン(コルチゾール)を大量に放出してしまいます。

 

妊活にストレスはよくない!と心がけているのに、人のことを悪く言うことで無意識のうちにストレスを生み出してしまっているのです。

雑談ですが・・・

仏教の世界でも人のことを罵ったり、愚痴をこぼしたりすることは自分自身を汚すものだと説いています。

それは口に出さずに心の中で思っていたとしても、人には聞こえていないだけで、口に出すことと同じ罪だそうです。

 

脳科学的に見ても、宗教的に見ても、人のことを悪く言うことに何ひとつメリットなんてないのですね。

 

 

では、どうすればいいか。

妊娠されている方をみてモヤッとしたら、将来の自分だど思って心の中で声をかけてあげましょう。

「よく頑張ったね。おめでとう。もうすぐあなたに会えるね。ありがとう。」

 

相手に話しているように見えて、自分へ声をかけていることになります。

しかも肯定的な言葉を出すことで、幸せホルモンが分泌され、体にも心にも良いことづくしです。

 

 

「私もあんな風に赤ちゃんを授かりたい」と羨ましく思う心や、

「どうして私のところには赤ちゃんは来てくれないんだろう」と不安や悲しい心を持つことはごく自然なことです。

それは赤ちゃんを望んでいるからこそ生まれる気持ちなので、大切に大切に覚えていてください。

赤ちゃんが生まれた後、育児で大変なことがあっても、なかなか授かれなくて必死に耐えていた苦しさを思い出せば、大抵のことはどうでもよくなりますから。

 

 

体を変えることは簡単ですが、心や思考を変えていくのは大変で難しいです。

けれど、考え方ひとつで体が変わるなら、試したほうが得ではないですか??

どんなことにも悪意のある見方をするのではなく、優しい心をもつようにトレーニングしていきましょう。

わたしも、心のトレーニングしていきます(^^)

 

 

空のどこかで順番待ちをしてくれているあなたの赤ちゃんに、早く会えますように。

2017.09.19妊娠中の秋の過ごし方

こんにちは(^^)

9月も半分を過ぎて、ますます秋らしくなりましたね!

この時期は夏の疲れがドッと出てきたり、空気が変わり不調を感じやすくなる方も多いと思います。

 

妊娠中は特にホルモンバランスも1日1日変化するので、体調や心の状態もコロコロ変わりますよね。

だからこそ、季節に合わせた生活をして体を整えてみませんか?

 

 

妊娠中は血液中の水分の含有量が高くなることで、血液が薄くなり特に貧血傾向になりやすくなります。

それに加えて、夏を乗り切った体には造血の原料となるものが不足しているため、さらに貧血傾向に向かってしまいます。

 

実りの秋、食欲の秋・・・秋に美味しいものが多いのは、暑さで食欲が落ちて栄養不足になりやすい夏の体に栄養を補給するためかもしれませんね。

食欲が回復する秋の間に、美味しい食事から鉄分を補給しましょう!

 

そんな秋に摂って頂きたい食品は・・・

温かいスープ・レバー・あずき・たまご(加熱してあるもの)

あずき・レバー(動物の内臓)・たまごには鉄分が豊富なので、秋の鉄分補給にはおススメ。

わたしはレバーが苦手なので、鉄分の他に亜鉛や女性ホルモンを作る原料となるコレステロールを含んでいる砂肝を取り入れています。

またこれらのものと、フルーツのようなビタミンCを含む食材を一緒に摂ると鉄分の吸収を促進してくれます

 

よく鉄分補給にはほうれん草とも言われていますが、ほうれん草に含まれる鉄分は非ヘム鉄であり、体への吸収率は低くなります。

また、ほうれん草に含まれている苦み成分「シュウ酸」は鉄分と結合しやすい性質を持っています。

鉄分と結合しやすいと何が問題かというと、シュウ酸と結合してしまった鉄分は体内に吸収されることなく排泄されてしまい、利用される鉄分はほんのわずかだということ。

その他にも「シュウ酸」は味覚・食欲にかかわる「亜鉛」や、胎児の骨形成に不可欠なカルシウムなどの「ミネラル」とも結合し、便から排出してしまったり、結石の一因ともなってしまいます。

これらのことから、妊娠中はほうれん草ではなくあずきやレバーなど、他の食品から鉄分を補給しましょう

 

身体の水分を補給し蓄えるには、温かいスープ。

お味噌汁でも、スープでもどちらでも大丈夫です(^^)

やまいもやさつまいも、さといもなどの秋の養生に役立つ食材を具にするのがおすすめです。

注意することは、いくらおすすめの食材だからと言ってこればかりを食べたりしないこと。

体に良いとされるものでも、摂りすぎは毒となることを覚えていてください。

 

 

秋は「収:シュウ」の季節といって、気や汗を体内に収め、潤い(陰)を補う季節といわれています。

温かいスープ・食事からの鉄分補給など、季節に合った食事や生活をすることで、体と心を整え、日々を健やか過ごすことができますよ。

 

最近マタニティライフが始まった方も、あと少しで出産を迎える方も、赤ちゃんとご自身のために是非取り入れてみてくださいね。

2017.09.13東洋医学とは part2

私の復習も兼ねた、東洋医学シリーズ続きます。

前回よりさらに専門的に、オタクチックになっていきます(^^)

 

東洋医学は気や血液、体内の水分(津液)など、肉眼で見ることのできない物や形のない物も物質化して考えます。

この気・血・津液(しんえき)は人体を構成し、私たちの生命活動を維持する上でとても重要な物質と考えており、この考え方は治療方針を決める上でとても重要になってきます。

それぞれの働きを見ていきましょう!

 

東洋医学でいう「気」は、陰陽でいう陽に属し動きのあるもので、体の決められた経絡を一定のペースで巡り、体や臓腑の機能をコントロールしたり温める働きを持っています。

気は酸素などの気体でもあるが、熱を産むエネルギーでもあるという点がポイントですね。

 

そんな気は生まれ持ったものと、食べたものから作られるものに分けられますが、働きは同じ。

代謝や成長を促進させてくれたり、外からの攻撃(風邪やストレス)などから守ってくれたり、内臓が下に下がらないようにつなぎとめてくれたり・・・かなりの働き者です。

気がスムーズに体内を巡ると、心身ともに伸びやかに、のびのびと過ごすことができます。

 

しかし過労、激怒、うつ、運動不足、暴飲暴食などにより気が停滞したり(気滞)、少なくなる(気虚)と冷えやしびれ、重い痛みや高血圧などを引き起こしてしまいます。

 

 

 

血は血液のことを指し、とても高い栄養と滋潤作用を持っており、全身をすみずみまで巡り臓腑・器官に栄養と潤いを届けてくれます。

この血のおかげで、筋肉をスムーズに動かしたり、見る・触れる・聞くなどの感覚が働くのです。

しかし何らかの問題があり、この血の巡りが悪くなったり(血瘀:けつお)、少なくなったり(血虚)すると、貧血やめまい、情緒が不安定になったりもします。

 

 

津液とは体内の正常な液状物質のことで、汗・涙・よだれ・胃液・関節液などのこと体内に存在する水分のことをいいます。

この津液は食べたものから作られ、体表や器官を潤したり、関節をスムーズに動かしてくれたり、気・血・津液のバランスをコントロールしてくれています。

 

しかし大量に汗をかいたり、大出血などにより体内の水分(津液)が失われ乾燥状態となることで、乾燥肌・ドライアイ・口の渇き・空咳などの症状を引き起こしてしまうのです。

 

気・血・津液の3つそれぞれの働きをご紹介しました。

この血と津液は陰陽でいう陰に分類されていて、自力で体の中を巡るのが不得意です。ですから動くのが得意な気が、血や津液が体中に巡るように押してくれてます。

と、いうことは血液や水分の代謝をよくするためには、気が滞らないように適度な運動などを行い、のびのびと過ごすことが養生に繋がるということですね。

 

 

なんだか一気に訳が分からなくなってしまいましたか?(^^;)

それぞれの働きは細かく分かれていますが、人の体の中には水分(津液)血液と、その二つを動かしてくれるというエネルギーがあるんだなぁ、と知って頂ければいいと思います。

 

 

「東洋医学とは何ですかシリーズ」は、私自身の復習や患者様に説明させていただく際の予習を兼ねてさせて頂いていますが、このブログを読んでくださる女性を通して、東洋医学にもきちんと学説や治療方針があって、それらを沢山組み合わせて治療を行っているということを、これからも広めてきたいと思います。

あまり薬を使いたくない方、オーガニックや無農薬の野菜などに興味がある方は、東洋医学も割と好きになってもらえるのではないかな。

 

まだまだ治療の方針を決める基本の学説はあるのですが、専門的な内容が続きましたので少し休憩をいれます♬

季節の変わり目は不調が出やすくなります。

皆様、ご自愛くださいませ。

 

2017.09.08東洋医学とは? part1

最近、若い女性の方から「東洋医学にすごく興味があるんです♬」というお声をよく頂きます。

それがきっかけで鍼灸も始めたという方も増えています。

私たち鍼灸師にとって「東洋医学」や「はり・灸」は身近なものですが、世間的にはまだ閉鎖的で少し古臭いイメージが根付いている気がしていましたので、とても嬉しかったです(^^)

 

そして興味があります!というお声とともに多い声が

「東洋医学って何ですか?」

「はりとかお灸って、痛い場所と全然違うところに刺してどうして効くのですか?」というものです。

 

大まかにはなりすが、鍼灸治療がどんな考え方を元に成り立っているのかお伝えしていきますね。

 

 

東洋医学とは、中国・日本・韓国など中東アジアの伝統医学のことをいい、漢方・鍼灸・按摩・養生法(薬膳など)を使った医学のことをいいます。

 

東洋医学の考え方の基本は「人間も自然界の一部である(天人合一思想)」です。

わたしたちは絶えず自然環境の変化の影響を受けており、その都度外界の変化に適応させて生きています。

また、人の体を構成するそれぞれの組織部分はお互いに密接に連絡しバランスを取りあっていて、そのため病理的にもお互いに影響しあっていると考えています。

 

 

人間は自然界の一部だと考える東洋医学では、その自然界にあるものすべてを陰と陽に分けて考えます。

この陰と陽はいつも同じ量はなく、常に変化しながらお互いに依存しあい、制約し、バランスをとっています。

なにかのきっかけでこの陰と陽のバランスが崩れ、どちらか片方のパワーが強くなりすぎたり弱くなりすぎると不調や病気の原因となってしまうのです。

このマークはそんな流動的にバランスをとる陰と陽を表すマークなのです(^^)

 

例えば・・・

陽・陽証:上、火、熱、昇、明るい、昼、基礎代謝が高い、交感神経緊張型、冷たい水や冷たい料理を好む、便秘傾向

陰・陰証:下、水、寒、降、暗い、夜、基礎代謝が低い、迷走神経緊張型、白湯や温かい食事を好む

 

このように、形のないものでも特性によってわけて考えるのが陰陽の考え方です。

 

 

五行とは、自然界・人間界の事物を木・火・土・金・水の5種類の物質と運動の変化に分類する考え方です。

この5種類のものの間にもお互いに生み出し、お互いに制約するという関係が成り立ち、バランスの取れた平衡状態を保っているのです。

そして、この木・火・土・金・水の5種類の特性の中に、臓器や器官や季節や感情を振り分けます。

 

例えば・・・

肝は「怒る」という感情を司ります。怒りすぎると肝を傷つけてしまい機能が落ちてしまいます。

また、肝が司る味は酸。酢の物などすっぱいものを食べることで肝の働きを助け、養生してくれます。

 

このほかにも、方角や色、涙や涎などの分泌液、声色など、すべての事物を特徴・作用・形態に分類しています。

これらは身体のどこが弱まっているのか、逆にどの働きが強すぎるのかを考えるためにとても重要な分類になってきます。

 

私たち人間は自然の一部ですので、どちらかが強くなりすぎてもいけない、弱すぎてもいけない。

強すぎるものがあればそれを抑制する力があり、逆に弱すぎるところは補って助けてあげる力があります。

陰陽の考え方にしても、5種類のタイプ別に分類する考え方にしても、東洋医学はバランスをとても重要視しています

 

 

今回はまず鍼灸の学校に通う学生が、必ず最初に学ぶ東洋医学の理論を2つ紹介いたしました。

私の復習も兼ねていますので、まだまだ続きます。しばらくお付き合いくださいませ(^^)

2017.09.02女性ホルモンの働きをよくする方法②

こんにちは(^^)

前回は女性ホルモンについて基本となるお話をさせていただきました。

今回はどうすれば女性ホルモンの働きをよくできるのか、次はその方法をお伝えしますね。

 

 

前回お話ししましたが、ホルモンの分泌を低下させる原因は2つありました。

 

1・自律神経の乱れ

長く続くストレスや緊張状態により、交感神経と副交感神経のスイッチが上手く切替わらない

2・ホルモンを構成する物質(栄養)の不足

ダイエットや偏った食事により、女性ホルモンの原料となるコレステロールが不足

 

と、いうことは・・・

自律神経のスイッチがスムーズに切り替わり、きちんとリラックスできている体をつくること。

食事の内容を見直して、原料となるコレステロールも適量に摂取すること。

 

それが改善策となると思います。

食事の内容については、栄養士の方や専門の方にお任せして・・・

ツボを使って、自律神経のバランスを整える方法をお伝えしていきますね。

 

 

まずはイライラして、頭の中にその事がずーーーーーと残ってしまっている時や、

一瞬でカッと頭に血がのぼってしまったときにおススメのツボ。

 

次はショックなことがあって落ち込んだ時や、イライラして気持ちを落ち着かせたいとき、不安が心を覆ってしまっている時におススメのツボ。

 

そして、自律神経の切り替え(交感神経と副交感神経の切り替え)をスムーズにしてくれるツボ。

 

ツボへの刺激はお灸でも、指で気持ちの良い程度に押すのも、どちらでも大丈夫です。

お灸をする場合は1つの場所に1~3回ぐらいを目安に行ってみてください(^^)

 

子宮への血流を上げる方法や、全身の血流をよくしていく方法は

「自宅で妊活ケア①~③」を参考になさってください。

http://lulie-shinkyuin.com/online/2017/07/

 

 

女性は男性に比べてホルモンの影響を強く受けていると思います。

生理前は些細なことでも癇にさわるし、妊娠・出産前後ではさらに大きくホルモンが変化して気分も体調もコロコロ変わりますよね。

だからこそ、ホルモン(特に女性ホルモン)のバランスを整えて、体の調子を安定させることが、毎日を穏やかに過ごすことに繋がっていきます。

是非、「おうちでお灸ケア」取り入れてみてくださいね。

2017.08.27女性ホルモンの働きをよくする方法①

こんにちは。

LuLie鍼灸院  鍼灸師の楠田由佳です。

 

私は仕事柄、不妊治療に取り組んでいらっしゃる方のSNSなどをよく覗きにいくのですが、

皆様やはり何かしらホルモン剤を服用されています。

わたしも3か月ほど黄体ホルモンの薬を飲んだことがありましたが、体調は悪くなるし、肌は荒れるし、心身ともに本当にしんどかったです。

 

もちろんお薬の力を借りることは悪いことではないです。

けれど、もし薬の副作用でしんどい思いをせずにすむなら、そっちのほうが楽ではありませんか?

今回は自宅で出来る女性ホルモンバランスの働きをよくする方法をご紹介しますね。

 

 

 

①そもそもホルモンって何?

それは・・・

「内分泌腺から分泌され、それぞれ特定の細胞で効果を発揮する物質」です。

 

分泌されたホルモンは血液に乗って体の中を巡り、特定の細胞でその効果を発揮してくれます。

 

「ホルモンってどんなホルモンの種類があると思いますか?」とお聞きすると、

ほとんどのみなさんが「え・・・?女性ホルモンだけじゃないんですか?」とおっしゃいます。

 

ホルモンって、女性ホルモン(卵胞ホルモン・黄体ホルモン)だけではないですよ!(^^)

人間の成長に関わるもの、食べたものを消化するために働くもの、血糖値を抑制するもの、排尿に関わるものなど、人間が生きるために働いてくれているホルモンが沢山あるのです。

身体は内側・外側の変化が起きた時、常に一定に保てるのはこれら沢山のホルモンのおかげです。

 

 

②女性ホルモンが卵巣に届くまで

女性ホルモンの分泌は脳の視床下部という器官から指令が送られ、まずは下垂体という器官に伝えられます。

はじめの指令を受け取った下垂体からは、早速卵巣に向けて「卵胞を成長させてね(卵胞刺激ホルモン)」という指令と、「排卵させてね(黄体刺激ホルモン)」という指令が血液に乗って送られます。

 

無事に2つの指令(ホルモン)を受け取った卵巣は、指令通りに卵胞を成長・成熟させて排卵させていくのです。

 

 

③ホルモンの働きを良くする方法とは?

ポイントは―

◎血液の流れを滞らせないこと

◎ホルモンの分泌を低下させないこと

 

ホルモンは分泌された後、血液に乗って体の各細胞・組織に届くのですから、血液の流れを滞らせてしまうとホルモンが届かなくなるのは当然ですね。

そして、当たり前ですが内分泌腺からの分泌を低下させないことです。

 

分泌を阻害する原因としては

・自律神経の乱れ(ストレス・長く続く緊張状態)

・ホルモンを構成する物質(栄養)不足

が挙げられます。

※器質的な原因(奇形など)は除きます。

 

長く緊張状態が続き交感神経がずっと働いている状況では、副交感神経との切り替えができず、自律神経のバランスが上手くとれず乱れを引き起こします。

女性ホルモンが分泌される器官は視床下部・下垂体・卵巣の3つですが、このうち1つでも働きがうまくいかないと卵胞の成熟⇒排卵⇒月経または妊娠という一連の流れが成立しないのです。

 

また、分泌を低下させるその他の原因としては、ホルモンの原料となる物質の不足が考えられます。

卵胞ホルモンと黄体ホルモンは、共にコレステロールが原料となります。

無理なダイエットやカロリーを気にしすぎた食事では、ホルモンを生成するためのコレステロールが摂れずに、ホルモンの生成自体を低下させてしまうのです。

 

女性にとって「コレステロール」ってなんとなく敬遠しがちな単語ですが、過剰なコレステロールの制限は、女性ホルモンが作れない原因をもたらしてしまうので注意が必要ですね。

 

以上の点を踏まえて、次回は自宅で出来るホルモンの働きを方法をお伝えしたいと思います。

 

 

 

 

2017.08.20あなたは何タイプ?

当サロンでは不妊症に対してどのような治療をしていくのですか?とお声をいただきましたので、簡単にですがご紹介しますね(^^)

 

LuLie鍼灸院も他の鍼灸院と同じように、治療方針は同じです。

身体を整え、妊娠できる力・妊娠を維持する体を作ることが基本の治療方針となります。

そのためにホルモンバランスを整え、卵胞が育ち、排卵をし、着床しやすいふかふかのお腹を鍼灸治療と整体治療を組み合わせた方法で作っていきます。

 

 

治療効果を出すために大切なことは、東洋医学でも西洋医学でも、その方の体質や原因を見極めて、原因を探り、正しい治療法を組み立てることです。

原因を探らないまま、ずれたアプローチを長時間繰り返し治療しても効果は出ません。

 

 

東洋医学では不妊症も臓器や体内のバランスが崩れた結果、体の表面に出てきた症状の1つと考えます。

根本から不妊体質を改善していくためには、どの臓器が弱まっているのか、何がホルモンの働きを阻害しているのかを、まずは見極めなければなりません。

 

そのためのものが体質診断チャートです。

当サロンでは初診時にご自身で体質を知って頂くため「体質診断チャート」を行って頂いていますが、「月経」は身体の状態を知るための大切な手掛かりの1つとなります。

 

 

これは実際に使っているものの一部になります。

それぞれ、より当てはまる項目に〇をつけて頂き、一番〇が多いところがその方の体質と考えます。

 

月経の様子+精神状態(イライラする・落ち込みやすい)+便秘の有無+胃腸の状態(食欲や口の渇きの有無)+舌苔の様子など様々な角度から体質を見極めていきますが、注意しなければならないことは、当てはまる体質は1つではなく2つぐらい当てはまるということです。

いくつかの体質が重なっている場合は、より強く体の表面に出てきている体質のほうからアプローチしていきながら、子宮環境を整えるように治療していきます。

 

子宝セラピーのコースは、「赤ちゃんを望むお母さんの気持ちに、1周期でも早く応えること」を目指しています。

そのために来院日などをこちらからお伝えすることもありますが、基本は相談のうえで決めて頂いており、治療が辛くしんどいものにならないように心掛けています。

 

「まずは1回だけお試しで・・・」で構いません!!

お気軽にお越しくださいませ(^^)