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2017.10.22東洋医学とは part4

こんにちは。鍼灸師の楠田由佳です。

ここしばらくはお灸講座のリーフレット作りや、娘の看病でばたばたしておりました(^^;)

 

東洋医学を知りたいという方向けのシリーズなので、興味のない方はスルーしてくださいね。

ですが、こうやって東洋医学について教科書やノートを開いてまとめていると、やはり勉強にもなって、患者様に説明させて頂く際に伝えやすくなってきました!

 

資格を取ってからが、本当の勉強の日々ですね。

では早速本題に入りましょう!肝と胆のペアの次は「心・小腸」のペアです!

 

心は肺の下で横隔膜の上に位置していて、4本のつり糸が出ており、他の4つの臓(肝・脾・肺・腎)に通じているとされています。

 

心の仕事は

①血脈の流れをコントロールすること

②精神活動を支配すること

 

 

血を押し出し、血脈中を運行させ、体の中の各組織・器官に栄養を送り届けてくれます。

正常に働いていると脈(拍動)は規則正しく打ち、力強く滑らか。

しかし心の働きが弱まり血脈がスムーズに流れなくなると・・・

脈は弱く、渋るような、ぎこちない脈となります。不整脈の方に多くみられます。

 

また精神活動を支配しているので、心の安定と調和を保ってくれるように働いてくれています。

そのため心は「神(精神)」を宿すとも言われています。

 

心の働きが正常で血で満たされている時、私たちの精神は安定し、思考は正常に働きます。

問題に対しても思考がよく働きますが、機能が弱まってくると不安や焦燥感にかられたり、不眠や夢を多く見るなど睡眠にも症状が現れます。

 

心の健康状態は顔・舌・汗など場所に現れます。

心が元気に働いてくれていると、顔は艶が出て潤いがあり、味覚は正常に働き、自分の精神(考え)を伝えるために舌を使って話すことができます(^^)

心が元気ない時ってありますよね?そんな時、今日は顔が暗いね~なんて言われたことありませんでしたか?

心の状態は顔に現れます。

 

他には喜びなどの働きも備えています

「心の汗」と例えて言ったりもしますが、臓象学説では心は汗を司るとしていて、温度や運動量に合わせて汗の量を調節してくれるといわれています。

また心は「喜」という感情を司っています。

喜ぶという感情は、人体に対していい刺激を与えてくれる感情ですが、喜びすぎるとかえって心神を傷つけてしまいます。

嬉しいことがあった時こそ、気を引き締めないとですね。

 

 

心とペアを組んでいる小腸は胃の下口(幽門)に接していて、食べ物を入れ、大腸の上口と接するとされています。

体の中の位置関係といい、西洋医学的な小腸の概念とほぼ同じですね。

小腸の働きは

1・胃から送られて飲食物を受け取り、更に消化してエネルギー(水穀の精微)と変化させること

2・その消化した飲食物を、人体に有益なものか・不要なものかに分別すること

 

 

食べた物を消化し、エネルギーに変え、必要のないものは水分と混ぜて便として排泄させるのが小腸の働きです。

小腸の働きが悪くなってしまうと、下痢や下腹部痛・尿の異常(血尿や排尿時通)として現れます。

小腸は、西洋医学でも東洋医学でも消化と排泄に関係しているとされているので分かりやすいですね(^^♪

 

心と小腸ペアについては以上です!

東洋医学シリーズはマニアックな方向けなので、長引かせたくないのですが・・・

次のペアは女性にとってとても重要な場所なので、濃く濃くお伝えしたいなと思います。

 

 

2017.10.04東洋医学とは? part3

こんにちは!

息抜きに違うテーマをいくつか挟みましたが、そろそろ東洋医学シリーズを再開していきたいと思います。

 

次にご紹介する理論は臓象学説といって、臓腑にはそれぞれ役目や関係の深い器官があると考えて、「今不調を起こしているのはどこの臓腑かなぁ~」と考えていく理論です。

私たち鍼灸師は患者さんの訴える症状や、体に現れているサインを読み取って、どこの臓腑がどんな病によって弱っているかを考えて治療方針を組み立てていくので、この考え方はとっても大切です。

 

「臓=内臓」「象=外に現れている内臓の不調サイン」

 

人の不調や病の現象を観察して、各臓腑と照らし合わせることによって、その相互関係を解き明かす理論のことです。

はるか昔の人たちが解剖を行うことで得た解剖知識や、症状とその原因の関係性を長い歴史をかけて観察して得た知識と経験から成り立っています。

 

臓腑とは内臓の総称のことで、「肝・心・脾・肺・腎」の五臓と、「胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦」の六腑を指します。

この五臓六腑にはそれぞれペアとなる相手がいて、ペア同士・ほかの臓腑同士でお互いにバランスを保ちつつ、助け合ったりして正常な働きを行っています。

 

まず、肝と胆のペアからいきましょう。

肝の働きは「気血が止まらないように動かすこと」です。

中に取り込んだり外に出したり、上にあげたり下にさげたり常に気血を動かし巡らすことで、人が正常に生命活動を行えるのです。

 

そしてもう一つの働きは「血を貯蔵する」こと。これは西洋医学的な解剖と同じですね。

イラストは肝が関係している(司っている)器官や物事を集めたものです。

体の器官だけではなく、感情や意志、味覚や季節などもあります。こういう点が西洋医学と東洋医学の大きな違いです。

 

さて肝の働きがスムーズに行われていると、筋肉はスムーズに動くので機敏に力強く動くことができます。

爪はほんのり赤く艶があり、硬さもあるので簡単に割れたりもしません。目は適度に潤いを保つことができ、ドライアイになることもなく物事がよく見えます。

 

しかし何らかのことが原因となり働きが弱くなると・・・

イライラしやすくなったり、爪が白く割れやすくなったり、肝の病(肝硬変など)におかされ目が黄色くなったり、肝に関係する器官にサインが現れるようになります。

 

なんのこっちゃかと思いますか?

運動後にたくさん筋肉を使った後、疲労回復には梅干しやクエン酸を摂取すると良いとされていますが、どちらも酸っぱいもの。

青春のことを「青い春」と、春といえば世間一般的なイメージではピンクですが、青を使って表現しています。

気づいていないうちに、実は臓象学説に触れてたりします。こう考えると、すこーしだけ身近に思えてきますよね。

 

 

もう一つ、肝とペアとされている「胆」の働きは「胆汁の貯蔵と排泄」。

胆汁は脂肪の吸収を助ける分泌液です。このことから、食べたものをスムーズに消化にするために大切な場所です。

そして「決断を司る」ともいわれています。

肝が巡らした考えを、胆が決断を下すことで行動力の源となるのです。胆の働きが低下するとよくため息がでたり、頭の中であれこれ考えはするけれど中々決断を下せず、行動に移せなくなってしまいます。

 

 

ものすごくイライラしたときに、「腹が立った」「カッとして頭に血がのぼった」など、実際怒ってもおなかは立ってないし、血がのぼっているわけではないけれど、昔から日本人は身体を使ってこんな風に例えてきました。

 

このことを鍼灸の学校の授業で教えて頂いたときに、わたしは東洋医学をとても身近に感じ、そしてもっと知りたい、深く勉強したいと思いました。

 

難しそうな東洋医学ですが、みなさんに少しでも知って頂いて好きになってほしいです(^^)

2017.09.27ベビ待ちの方が、してはいけないこと

今日は、いつもと少し違ったことをお話ししてみようと思います。

 

「赤ちゃんを望む女性が、特にしてはいけないこと」

みなさん、何だと思いますか?

冷えないようにすること?食事に気をつけること?妊活にばかり捕らわれないこと?

それももちろん大切です。

 

もっとしてはいけないこと・・・

それは「悪意を持つこと、向けること」です。

 

お腹の大きな女性を見た時・・・

マタニティマークをつけている方を見たとき・・・

モヤッと、くろーい感情が芽生える時ありますか?または、ありましたか?

 

 

例えば「お腹が大きくなってまでマタニティマークつけて!つけなくても分かるじゃない!」

 

もちろんこれは例えです。意地悪な考えは、今すぐ捨ててしまいましょうね。

そんな人いませんよー!と思うかもしれませんが、悲しいことに、ごくごくたまに、ほんの数人いらっしゃるのです。

妊活期間が長ければ長いほど余裕もなくなってしまうものなので、当たり前といえば当たり前なのですがー・・・。

 

 

 

脳と悪口の関係をご存知ですか?

悪口を口に出せば出すほど、自分のストレスは増えるし、老化へと進んでしまうそうです。

それは、脳は主語を理解できないので、口に出した言葉はすべて自分に言われているのと同じ状態になってしまうから。

そして、悪口を言われた脳はストレスホルモン(コルチゾール)を大量に放出してしまいます。

 

妊活にストレスはよくない!と心がけているのに、人のことを悪く言うことで無意識のうちにストレスを生み出してしまっているのです。

雑談ですが・・・

仏教の世界でも人のことを罵ったり、愚痴をこぼしたりすることは自分自身を汚すものだと説いています。

それは口に出さずに心の中で思っていたとしても、人には聞こえていないだけで、口に出すことと同じ罪だそうです。

 

脳科学的に見ても、宗教的に見ても、人のことを悪く言うことに何ひとつメリットなんてないのですね。

 

 

では、どうすればいいか。

妊娠されている方をみてモヤッとしたら、将来の自分だど思って心の中で声をかけてあげましょう。

「よく頑張ったね。おめでとう。もうすぐあなたに会えるね。ありがとう。」

 

相手に話しているように見えて、自分へ声をかけていることになります。

しかも肯定的な言葉を出すことで、幸せホルモンが分泌され、体にも心にも良いことづくしです。

 

 

「私もあんな風に赤ちゃんを授かりたい」と羨ましく思う心や、

「どうして私のところには赤ちゃんは来てくれないんだろう」と不安や悲しい心を持つことはごく自然なことです。

それは赤ちゃんを望んでいるからこそ生まれる気持ちなので、大切に大切に覚えていてください。

赤ちゃんが生まれた後、育児で大変なことがあっても、なかなか授かれなくて必死に耐えていた苦しさを思い出せば、大抵のことはどうでもよくなりますから。

 

 

体を変えることは簡単ですが、心や思考を変えていくのは大変で難しいです。

けれど、考え方ひとつで体が変わるなら、試したほうが得ではないですか??

どんなことにも悪意のある見方をするのではなく、優しい心をもつようにトレーニングしていきましょう。

わたしも、心のトレーニングしていきます(^^)

 

 

空のどこかで順番待ちをしてくれているあなたの赤ちゃんに、早く会えますように。

2017.09.08東洋医学とは? part1

最近、若い女性の方から「東洋医学にすごく興味があるんです♬」というお声をよく頂きます。

それがきっかけで鍼灸も始めたという方も増えています。

私たち鍼灸師にとって「東洋医学」や「はり・灸」は身近なものですが、世間的にはまだ閉鎖的で少し古臭いイメージが根付いている気がしていましたので、とても嬉しかったです(^^)

 

そして興味があります!というお声とともに多い声が

「東洋医学って何ですか?」

「はりとかお灸って、痛い場所と全然違うところに刺してどうして効くのですか?」というものです。

 

大まかにはなりすが、鍼灸治療がどんな考え方を元に成り立っているのかお伝えしていきますね。

 

 

東洋医学とは、中国・日本・韓国など中東アジアの伝統医学のことをいい、漢方・鍼灸・按摩・養生法(薬膳など)を使った医学のことをいいます。

 

東洋医学の考え方の基本は「人間も自然界の一部である(天人合一思想)」です。

わたしたちは絶えず自然環境の変化の影響を受けており、その都度外界の変化に適応させて生きています。

また、人の体を構成するそれぞれの組織部分はお互いに密接に連絡しバランスを取りあっていて、そのため病理的にもお互いに影響しあっていると考えています。

 

 

人間は自然界の一部だと考える東洋医学では、その自然界にあるものすべてを陰と陽に分けて考えます。

この陰と陽はいつも同じ量はなく、常に変化しながらお互いに依存しあい、制約し、バランスをとっています。

なにかのきっかけでこの陰と陽のバランスが崩れ、どちらか片方のパワーが強くなりすぎたり弱くなりすぎると不調や病気の原因となってしまうのです。

このマークはそんな流動的にバランスをとる陰と陽を表すマークなのです(^^)

 

例えば・・・

陽・陽証:上、火、熱、昇、明るい、昼、基礎代謝が高い、交感神経緊張型、冷たい水や冷たい料理を好む、便秘傾向

陰・陰証:下、水、寒、降、暗い、夜、基礎代謝が低い、迷走神経緊張型、白湯や温かい食事を好む

 

このように、形のないものでも特性によってわけて考えるのが陰陽の考え方です。

 

 

五行とは、自然界・人間界の事物を木・火・土・金・水の5種類の物質と運動の変化に分類する考え方です。

この5種類のものの間にもお互いに生み出し、お互いに制約するという関係が成り立ち、バランスの取れた平衡状態を保っているのです。

そして、この木・火・土・金・水の5種類の特性の中に、臓器や器官や季節や感情を振り分けます。

 

例えば・・・

肝は「怒る」という感情を司ります。怒りすぎると肝を傷つけてしまい機能が落ちてしまいます。

また、肝が司る味は酸。酢の物などすっぱいものを食べることで肝の働きを助け、養生してくれます。

 

このほかにも、方角や色、涙や涎などの分泌液、声色など、すべての事物を特徴・作用・形態に分類しています。

これらは身体のどこが弱まっているのか、逆にどの働きが強すぎるのかを考えるためにとても重要な分類になってきます。

 

私たち人間は自然の一部ですので、どちらかが強くなりすぎてもいけない、弱すぎてもいけない。

強すぎるものがあればそれを抑制する力があり、逆に弱すぎるところは補って助けてあげる力があります。

陰陽の考え方にしても、5種類のタイプ別に分類する考え方にしても、東洋医学はバランスをとても重要視しています

 

 

今回はまず鍼灸の学校に通う学生が、必ず最初に学ぶ東洋医学の理論を2つ紹介いたしました。

私の復習も兼ねていますので、まだまだ続きます。しばらくお付き合いくださいませ(^^)

2017.09.02女性ホルモンの働きをよくする方法②

こんにちは(^^)

前回は女性ホルモンについて基本となるお話をさせていただきました。

今回はどうすれば女性ホルモンの働きをよくできるのか、次はその方法をお伝えしますね。

 

 

前回お話ししましたが、ホルモンの分泌を低下させる原因は2つありました。

 

1・自律神経の乱れ

長く続くストレスや緊張状態により、交感神経と副交感神経のスイッチが上手く切替わらない

2・ホルモンを構成する物質(栄養)の不足

ダイエットや偏った食事により、女性ホルモンの原料となるコレステロールが不足

 

と、いうことは・・・

自律神経のスイッチがスムーズに切り替わり、きちんとリラックスできている体をつくること。

食事の内容を見直して、原料となるコレステロールも適量に摂取すること。

 

それが改善策となると思います。

食事の内容については、栄養士の方や専門の方にお任せして・・・

ツボを使って、自律神経のバランスを整える方法をお伝えしていきますね。

 

 

まずはイライラして、頭の中にその事がずーーーーーと残ってしまっている時や、

一瞬でカッと頭に血がのぼってしまったときにおススメのツボ。

 

次はショックなことがあって落ち込んだ時や、イライラして気持ちを落ち着かせたいとき、不安が心を覆ってしまっている時におススメのツボ。

 

そして、自律神経の切り替え(交感神経と副交感神経の切り替え)をスムーズにしてくれるツボ。

 

ツボへの刺激はお灸でも、指で気持ちの良い程度に押すのも、どちらでも大丈夫です。

お灸をする場合は1つの場所に1~3回ぐらいを目安に行ってみてください(^^)

 

子宮への血流を上げる方法や、全身の血流をよくしていく方法は

「自宅で妊活ケア①~③」を参考になさってください。

http://lulie-shinkyuin.com/online/2017/07/

 

 

女性は男性に比べてホルモンの影響を強く受けていると思います。

生理前は些細なことでも癇にさわるし、妊娠・出産前後ではさらに大きくホルモンが変化して気分も体調もコロコロ変わりますよね。

だからこそ、ホルモン(特に女性ホルモン)のバランスを整えて、体の調子を安定させることが、毎日を穏やかに過ごすことに繋がっていきます。

是非、「おうちでお灸ケア」取り入れてみてくださいね。

2017.08.27女性ホルモンの働きをよくする方法①

こんにちは。

LuLie鍼灸院  鍼灸師の楠田由佳です。

 

私は仕事柄、不妊治療に取り組んでいらっしゃる方のSNSなどをよく覗きにいくのですが、

皆様やはり何かしらホルモン剤を服用されています。

わたしも3か月ほど黄体ホルモンの薬を飲んだことがありましたが、体調は悪くなるし、肌は荒れるし、心身ともに本当にしんどかったです。

 

もちろんお薬の力を借りることは悪いことではないです。

けれど、もし薬の副作用でしんどい思いをせずにすむなら、そっちのほうが楽ではありませんか?

今回は自宅で出来る女性ホルモンバランスの働きをよくする方法をご紹介しますね。

 

 

 

①そもそもホルモンって何?

それは・・・

「内分泌腺から分泌され、それぞれ特定の細胞で効果を発揮する物質」です。

 

分泌されたホルモンは血液に乗って体の中を巡り、特定の細胞でその効果を発揮してくれます。

 

「ホルモンってどんなホルモンの種類があると思いますか?」とお聞きすると、

ほとんどのみなさんが「え・・・?女性ホルモンだけじゃないんですか?」とおっしゃいます。

 

ホルモンって、女性ホルモン(卵胞ホルモン・黄体ホルモン)だけではないですよ!(^^)

人間の成長に関わるもの、食べたものを消化するために働くもの、血糖値を抑制するもの、排尿に関わるものなど、人間が生きるために働いてくれているホルモンが沢山あるのです。

身体は内側・外側の変化が起きた時、常に一定に保てるのはこれら沢山のホルモンのおかげです。

 

 

②女性ホルモンが卵巣に届くまで

女性ホルモンの分泌は脳の視床下部という器官から指令が送られ、まずは下垂体という器官に伝えられます。

はじめの指令を受け取った下垂体からは、早速卵巣に向けて「卵胞を成長させてね(卵胞刺激ホルモン)」という指令と、「排卵させてね(黄体刺激ホルモン)」という指令が血液に乗って送られます。

 

無事に2つの指令(ホルモン)を受け取った卵巣は、指令通りに卵胞を成長・成熟させて排卵させていくのです。

 

 

③ホルモンの働きを良くする方法とは?

ポイントは―

◎血液の流れを滞らせないこと

◎ホルモンの分泌を低下させないこと

 

ホルモンは分泌された後、血液に乗って体の各細胞・組織に届くのですから、血液の流れを滞らせてしまうとホルモンが届かなくなるのは当然ですね。

そして、当たり前ですが内分泌腺からの分泌を低下させないことです。

 

分泌を阻害する原因としては

・自律神経の乱れ(ストレス・長く続く緊張状態)

・ホルモンを構成する物質(栄養)不足

が挙げられます。

※器質的な原因(奇形など)は除きます。

 

長く緊張状態が続き交感神経がずっと働いている状況では、副交感神経との切り替えができず、自律神経のバランスが上手くとれず乱れを引き起こします。

女性ホルモンが分泌される器官は視床下部・下垂体・卵巣の3つですが、このうち1つでも働きがうまくいかないと卵胞の成熟⇒排卵⇒月経または妊娠という一連の流れが成立しないのです。

 

また、分泌を低下させるその他の原因としては、ホルモンの原料となる物質の不足が考えられます。

卵胞ホルモンと黄体ホルモンは、共にコレステロールが原料となります。

無理なダイエットやカロリーを気にしすぎた食事では、ホルモンを生成するためのコレステロールが摂れずに、ホルモンの生成自体を低下させてしまうのです。

 

女性にとって「コレステロール」ってなんとなく敬遠しがちな単語ですが、過剰なコレステロールの制限は、女性ホルモンが作れない原因をもたらしてしまうので注意が必要ですね。

 

以上の点を踏まえて、次回は自宅で出来るホルモンの働きを方法をお伝えしたいと思います。

 

 

 

 

2017.08.20あなたは何タイプ?

当サロンでは不妊症に対してどのような治療をしていくのですか?とお声をいただきましたので、簡単にですがご紹介しますね(^^)

 

LuLie鍼灸院も他の鍼灸院と同じように、治療方針は同じです。

身体を整え、妊娠できる力・妊娠を維持する体を作ることが基本の治療方針となります。

そのためにホルモンバランスを整え、卵胞が育ち、排卵をし、着床しやすいふかふかのお腹を鍼灸治療と整体治療を組み合わせた方法で作っていきます。

 

 

治療効果を出すために大切なことは、東洋医学でも西洋医学でも、その方の体質や原因を見極めて、原因を探り、正しい治療法を組み立てることです。

原因を探らないまま、ずれたアプローチを長時間繰り返し治療しても効果は出ません。

 

 

東洋医学では不妊症も臓器や体内のバランスが崩れた結果、体の表面に出てきた症状の1つと考えます。

根本から不妊体質を改善していくためには、どの臓器が弱まっているのか、何がホルモンの働きを阻害しているのかを、まずは見極めなければなりません。

 

そのためのものが体質診断チャートです。

当サロンでは初診時にご自身で体質を知って頂くため「体質診断チャート」を行って頂いていますが、「月経」は身体の状態を知るための大切な手掛かりの1つとなります。

 

 

これは実際に使っているものの一部になります。

それぞれ、より当てはまる項目に〇をつけて頂き、一番〇が多いところがその方の体質と考えます。

 

月経の様子+精神状態(イライラする・落ち込みやすい)+便秘の有無+胃腸の状態(食欲や口の渇きの有無)+舌苔の様子など様々な角度から体質を見極めていきますが、注意しなければならないことは、当てはまる体質は1つではなく2つぐらい当てはまるということです。

いくつかの体質が重なっている場合は、より強く体の表面に出てきている体質のほうからアプローチしていきながら、子宮環境を整えるように治療していきます。

 

子宝セラピーのコースは、「赤ちゃんを望むお母さんの気持ちに、1周期でも早く応えること」を目指しています。

そのために来院日などをこちらからお伝えすることもありますが、基本は相談のうえで決めて頂いており、治療が辛くしんどいものにならないように心掛けています。

 

「まずは1回だけお試しで・・・」で構いません!!

お気軽にお越しくださいませ(^^)

2017.08.15自宅で妊活ケア③~背中~

自宅で妊活ケア、最後は背中編です(^^)

背中は一人ではケアできないので、旦那様と二人で取り組んでみてください。

 

私は治療を受けられる方の、こんなところをポイントに診ています。

 

背中、細かく言えば「胸椎(胸のところの背骨)」の状態をしっかり診るようにしています。

なぜかというと、胸椎は「自律神経」と深く関わっている場所だからです。

 

自律神経とは心臓や血管など臓器の運動をコントロールしてくれる神経で、興奮しているときに働く「交感神経」と、リラックスするときに働く「副交感神経」に分かれます。

 

 

この興奮しているときによく働く交感神経胸椎の中の胸髄とよばれる場所から出ており、その後交感神経節という中継地点を通ります。

そして胃や腸などの臓器に繋がって、お互いの状態を連絡しあいながらコントロールをしてくれているわけです。

 

内臓に不調が起こるとその情報は神経を通じて連絡され、不調の反応のサインの1つとして胸椎の周りの筋肉が硬くなるのです。

 

・呼吸が浅い人

・朝スッキリと起きることができない人

・なんだか身体が怠く、疲労感が抜けない人

 

そんな方は自律神経のスイッチの切り替えがうまく出来ずに、興奮した状態が続いている可能性があります。

治療に来られる方でも、忙しく毎日を過ごしたりストレスをうまく発散できずにいる方は、交感神経が常にONの状態になり、背骨がガタガタとしたり、筋肉が硬くなっている方がとても多いです。

 

そんなガチガチ背中のケア方法は「熱めのシャワー」!

もちろん背中へのお灸もおすすめですが、一人ではできない場所ですし、お風呂は毎日入るので一人で手軽にケアができます。

少し熱めのお湯をシャワーから出して、背中を中心に3~5分程度あててみてください。

妊活の方だけではなく、産後赤ちゃんのお世話で毎日バタバタと忙しい女性にもおススメです

 

 

 

もう一つ、背部のケアでおススメの場所は不妊ケアでは定番の「八髎(リョウ)穴(上髎・次髎・中髎・下髎)」です。

仙骨に開いている穴の中にあるツボで、左右合わせて8つの穴があり、この穴の下を生殖器(卵巣・卵管・子宮・卵巣)に繋がっている神経が通っています。

仙骨部分へお灸をすることで、その刺激が坐骨神経・陰部神経・骨盤神経を介して生殖器へと伝わり、ホルモンの伝達がスムーズに行えるように整えくれたり、また血管を広くして血流を上げてくれるので骨盤内の血流UPにも繋がります。

サロンでも排卵期まではこの部分に鍼をしたり、お灸を必ず行うほど定番であり効果のある場所です☆

穴は8つありますが、すべてにする必要はありません。

仙骨の一番上の穴のところ(仙骨部分のポコッと出ている骨のあたり)に左右1~2つずつしてみてください。

 

そして仙骨部と組み合わせてお灸をしたいのが「腎愈」です。

腎は東洋医学では「生命の源」といわれ、生殖や成長・発育・ホルモンの分泌・免疫系などの機能を司る臓器と考えられています。

腎の機能が弱まると不妊症や免疫の低下が起こるとされているので、ここはケアに是非取り入れて頂きたいです。

 

 

お腹・脚・背中とご紹介させていただきましたが、サロンではこれら定番のツボと、その方の体質や弱まっている臓器(働き)に合わせてツボを選ぶようにしています。

自宅では一度に全部の箇所をすると大変なので、この中からいくつか選んでケアしてみてください。

 

自宅ケアだからこそ、頑張りすぎず、適度に。

 

 

2017.08.06自宅で妊活ケア②~脚~

前回は私が治療の際、身体のどのようなところをチェックしながら診ているかをお話ししました。

今回は脚編を紹介いたします(^^)

 

脚からは酸素や栄養を各組織・臓器に送り届けた動脈血が、股関節を通ったあと、きちんと重力に負けずに心臓に戻ってきているかを読み取っていきます。

 

 

鼠径部・・・お腹を通った腹大動脈は、次は下半身へと続き、鼠径部を通る時には大腿動脈と名前を変えます。

この鼠径部に手を当てて、左右の違い(どちらかが硬く盛り上がっていないか)などを診ることで、鼠径部のところで動脈や静脈が詰まっていないかチェック。

 

内太もも・・・鼠径部を通った動脈は、やや太ももの内側を取りながら膝へと続きます。

触ってみて冷たくなっていないか、かたいズジのようなものが出来ていないかをチェック。

 

 足首・・・ここには婦人科疾患の治療によく使用する「三陰交」というツボがあります。

整体でも「足首=子宮」と考えているので、足首の冷えなどからも子宮の状態を知る参考にします。

 

 

チェックはできましたか?

次はこの部分をケアしていきましょう!ツボは3か所ご紹介します。

今回紹介するツボはインターネットでもよく紹介されている定番のツボの組み合わせですね。

 

お腹編では、背中を丸め、お腹を縮こまらせながら過ごす方はお腹のところで血管も縮めてしまっているとお話ししましたが、

同時に鼠径部を折りたたんでしまっている方が多いので、股関節のところでもさらに血液の流れを悪くしていまっています。

 

鼠径部(衝門)を温めることで血管を広げ、さらに血海にもお灸をすることでつま先へと流れる血流を上げてあげましょう。

 

そしてポイントは三陰交ですが、わたしは使う時期に気をつけています。

不妊や生理痛などの生殖器系の病症の治療に使われる定番のツボですが、排卵した後には使わないようにしています

その理由は、三陰交は難産の治療の際にも使うことから「おろす」「さげる」という効果もありますので念のためですね。

もちろん排卵後に三陰交にお灸をしたからといって着床に100%影響がでるとは言えません。

 

 

大事なことは、「足首=子宮」なので冷えが厳禁ということです!

排卵まではお灸でケアを、排卵したらお灸をするより足湯をして足首からつま先を温めてあげるのがおすすめです♬

 

せっかく自宅ケアされるなら、ツボを使う時期にもこだわってみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2017.07.29自宅で妊活ケア~お腹~

先日、子宝セラピーで整体だけをさせて頂いた方がいらっしゃいました。

鍼灸治療は他院でされていらっしゃったのですが、そちらの先生はどんな方針を立てて、これからどんなスケジュールで治療していくのかを伺ってみると・・・

「よく分かりません…。冷えはあるね、と言われたけどその他は特に何も。どんな方針で治療していくかも、次はいつ行けばいいのかも知りません。」と、いうことでした。

 

自分の体の治療のことなのに、この方は聞いたりしないのかな?知りたくないのかな??

鍼灸師の先生は、どうして何も話さないのかな???

不妊治療では有名な鍼灸院のようだったのですが、わたしにはハテナなことばかりでした。

 

トレーニングの効果をきちんと出すための原則の中に「意識性(自覚性の原則)」というものがありますが、これはトレーニングだけではなく治療の時も同じです。

自分の体を知り、治療内容を自覚(意識)して自主的に進めていくのと、セラピストにお任せで何も理解せずに治療していくのとでは大きな差があります。

 

 

お灸の存在が広く知られるようになり、自宅でもせんねんきゅうを使ってケアをされている方も多いですよね。

「妊活・お灸・ツボ」とインターネットで検索をすれば、不妊治療に使われるツボの情報が沢山出てきます。

丁寧なサイトはきちんと理由も掲載されていますが、中にはツボの名前と場所だけ書いてあるサイトもあります。

せっかくなので理由を知って効果を最大限に出してほしいなと思います。

 

 

子宝セラピーを受けに来ていただく方で、私が大切なポイントとしてチェックしている場所があります。

それは・・・お腹です!

下腹部も大切ですが、お臍からみぞおちまでの上腹部をチェックポイントにしてます。

①柔らかさ

②動き(呼吸に合わせてどのような動きをしているか)

まずは必ずここをチェック。

この上腹部の状態をチェックすることで、子宮や骨盤内の状態を診る参考にしています。

 

心臓から出た動脈は胸を通り、お腹へと続き、その道のところどころで各臓器に栄養と酸素を運ぶために分かれていきます。

この分かれた血管の道の中に、子宮に栄養と酸素を送る(子宮動脈)と、卵巣に栄養と酸素を送る動脈(卵巣動脈)があります。

このお腹のところで血液の流れが滞っていると、その先の子宮や卵巣に血液や酸素が運ばれなくなってしまうのです

子宮や卵巣に血液や酸素が運ばれないということは・・・卵胞の成長や子宮内膜の厚さなどにも影響してきます。

 

仰向けに寝て、ご自身のお臍からみぞおちの辺りまで、示指から環指の3本の指でゆっくり上から押してみてください。

指は入りますか?痛くないですか?指がはじき返されるくらい硬いですか?

 

指が入らないくらい硬かったり、痛みがあればケアが必要です。

硬くなる原因には、呼吸が浅く胸だけで呼吸をしがちな方、姿勢が前かがみで上腹部を縮こまらせている方が多いです。

 

 

そんな方にお勧めなのが、下腹部の「子宝の灸」「中脘(ちゅうかん)」というツボをプラスしてみましょう(^^)

 

「中脘(ちゅうかん)」にお灸をすることで、上腹部の緊張を緩め、子宮や卵巣へと続く血管の大元となる動脈(腹大動脈)の血流を高めて上げることができます。

お灸だけではなく、上腹部が縮こまらないように姿勢に気をつける事、ゆっくりとお腹を動かして呼吸をすることも大切です。

 

自宅ケアも、理由を理解して行うことで効果はぐんっと上がりますよ♬

是非試してみてくださいね。