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2017.11.30冬の妊活

こんにちは!

気付けばもう12月ですね。いよいよ冬本番です。

これからの3ヶ月間は来年の春にのびのびと過ごすためのパワーを貯める大切な期間で、妊活に取り組んでいらっしゃる方には特に大切な季節です。

 

冬は「蔵:ゾウ」の季節と言われています。

字の通り、秋に収穫した作物を蔵に貯蔵するようにエネルギーを貯めこむ季節なのです。

冬の3か月の間に、しっかりと陽気(温かいエネルギー)陰分(血液や体内の水分)を体に蓄えておかなければなりません。

 

冬の妊活ポイントは「早寝・足元の保温・汗を沢山かかないこと。

 

足元の保温は「陽気」を逃がさないようにするため、また冷気の体への侵入を防ぐためです。

東洋医学では血液や水分などの「陰分」は夜寝ることで作られ補充されていくとされているので、早寝をして睡眠時間を出来る限り長くしましょう。

 

また妊活には運動がよいと聞き一生懸命運動されている方もいらっしゃいますが、冬の養生法にのっとってみると、汗をかくほどの運動はお勧めしません。

冬は朝の太陽を浴びながらの軽めの散歩や、家でのストレッチのような汗をかかない程度の運動がおすすめです。

これは汗とともに気血が消耗してしまうのを防ぐためです。

 

✅基礎体温がガタガタの方

✅生理の時の出血量が極端に少ない方

✅肩や首のコリが強い方

✅目の疲れが酷くドライアイの方

✅疲れやすい方

 

こんな方は気血が足りていない方です。

早寝生活を実践してみてください。寝る時間は早ければ早いほど良いです。

 

 

そして冬は「」が主さどる季節でもあります。

腎は東洋医学では腎は生命活動や妊娠・出産に関わるとっても重要な臓

特に妊活中の方の妊娠する力、妊娠を維持する力を養うためには腎を補ってあげることが必要不可欠なのです。

 

腎を補う方法としては食事やツボへの刺激があります。

「湧泉:ゆうせん」は生きるためのエネルギーが湧き出るツボとされています。

お灸で温熱刺激を与えたり、指で2~3秒ほど押すなどして気持ちの良い刺激を入れてみてください。

 

 

そして腎を養う食材としては

✅黒豆や黒ゴマなどの黒い食材

✅わかめや昆布などの自然のしょっぱい食材

があると言われています。

少しずつ献立の中に取り入れてみてください(^^)

 

実はこの腎を補う食材ににプラスしてほしいのが、お肉や魚、卵などの「タンパク質」です。

タンパク質は筋肉や爪、髪などを作るだけではなく、免疫やへモブロビンの原料にもなる主成分。

ついついご飯やパスタなど炭水化物の比率が多くなってしまうのですが、「タンパク質>炭水化物」が理想のバランスです。

特に高温期でも基礎体温が低い方には、タンパク質をしっかりと取り入れてほしいのです。

 

ただしタンパク質の過剰摂取は腎臓に負担をかけてしまうので注意も必要です。

食事にしっかりと取り入れているのにも関わらず、プロテインなどでさらに摂取することはやめましょう。

 

これらは今すぐ自分で始められる妊娠治療ですね。

冬が勝負です!

 

 

12月はイベントも多く日々忙しくなります。寒さも厳しくなり体調を崩してしまう方も多いです。

皆さま、どうかご自愛ください。

2017.11.20なぜ、今さら小児鍼?

小児鍼って、ご存知ですか?”赤ちゃん鍼”や”こどもの鍼”とも言われたりしています。

小児鍼は大阪発祥の技術で、小児鍼専用の器具を用いて軽くさすることで刺激を与える鍼の一種です。

刺したりせず、さするだけだから受けている本人も気持ちがいい。

そして親は注射のように、「痛ーいっ!」と泣き叫ぶ子供を見ずに済むから心が痛みません(^^)

 

私は娘に0歳の頃から定期的に小児鍼をしています。

きっかけは夜泣きでした。

 

抱っこでしか寝付かない、やっと寝付いて布団に寝かせても30分ほどで起きる、だから昼でも夜でも胸の上で抱っこしたまま寝かせていました。

始めはすべてが可愛くて愛おしくても、そんな状態が半年以上続くとさすがに疲労とイライラが溜まります。

主人は娘が隣で泣いていても起き上がろうともしないので、余計に腹が立ちます。

 

だから小児鍼を始めました。

小児鍼をしたからといって、急に「朝までぐっすりでした!」なんてことはありませんが、徐々に30分が1時間になり、1時間半になり、布団に寝かせても寝てくれる時間が長くなっていきました。

 

それは小児鍼のおかげだったのか、ただ成長により寝方を覚えて長くなったのかは正直分かりませんが、それでも私自身の気持ちが楽になっていったのは覚えています。

現在2歳半になり夜泣きがなくなった今でも、鼻詰まりがひどい時、夜中に咳がひどくなる時など、風邪症状の時にも行っています。

 

小児鍼で治療できる症状は沢山あります。

 

①睡眠障害:夜泣き、夜驚症

②異常興奮:よく怒る、よくケンカをする、人をかむ、物を投げつける

③摂食不良:食べない子、口内炎、腹痛、便秘、下痢、好き嫌いの多い子

④排尿障害:夜尿症

⑤呼吸器系の症状:小児喘息、風邪、扁桃腺炎、鼻炎

⑥その他:アトピー性皮膚炎、湿疹、チック症、どもり、中耳炎など・・・

 

ここに載せていないものもあります。

 

ワクチンの完成のおかげで小児の疫病の流行は少なくなりましたが、その分子供が獲得していかなければならない免疫力が低下してしまっています。

大人になってストレス社会の中に身を置くようになると、その免疫力の低下が顕著に現れます。

 

自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスを整え免疫力を高める、しかも気持ちの良い方法が小児鍼なのです。

 

 

誰のために受けさせるのか…答えは母親です。

医学が進歩しワクチンも普及した今、なぜ小児鍼なのか。

もちろん子供の免疫力獲得も大きな理由の一つですが、小児鍼は虐待予防にもなるからです

 

近年、毎日のように親からの虐待によってなくなる子供のニュースが後を絶ちませんよね。

虐待の原因は色々ありますが、それまで大切に可愛がって育ててきた両親が少しずつ変わってしまう、その初めはとても些細なことから始まると思います。

 

「寝ない」「食べない」「自分の思い通りにならない」「よくケンカをする」

これは半健康状態といえます。

病名がつくわけではありません、実際病気でもありません。けれど、すこぶる健康というわけでもない、そんな状態。

この半健康状態が長く続くと、精神的に親はゆとりをなくしてしまいます。

 

特に妊娠・出産した後は、子供と2人で狭い世界にいるような気がする時期ですよね。

睡眠不足・思い通り物事が進まない、しかもいつ終わるかもわからないイライラがたまるしんどさを、男性には理解してもらえないと思います。

 

小児鍼をするとよく寝る、食べれるようになる、丈夫に育ってくれる。

そうなると、すこーしだけ気持ちが楽になります。可愛い子供を、大きな気持ちで見守ることができます。

 

また治療を受けるために外へ出ます。小児鍼を受けるのだから、鍼灸院側も赤ちゃんが泣いていても気にしない。

お母さんの気分転換にもなります(^^)

 

 

整体でも子供の治療は親の治療ともいいます。

親は子供の鏡だから、イライラしたり、気が立ってると子供までそうなってしまう。

実際、幼い頃からの両親からの養育態度(特にお母さんの態度)と、腰痛や肩こりなどの疼痛には関係があると研究結果が出ています。

そのくらいお母さんの子供に与える影響は大きいのです。

 

子供のため、お母さん自身のゆとりを生み出すものが小児鍼です。

 

2017.11.07ラスト・東洋医学とは part7

臓腑弁証の最後の場所は「腎・膀胱」です。

この臓腑は授業でも時間をかけて行うし、ノートのぺージ数もボリュームがあり、しっかりと勉強するところ。

生殖器系の働きも持つので、女性の不妊症や月経にも深く関わってくる臓腑です。では早速本題へ!

 

 

腎は第2腰椎の高さにあり、左右1つずつ存在しています。

色は黒色で、豆のような形をしているとされています。

 

腎は“蔵精を主る”とされていて、成長発育生殖に深く関係のある臓腑。

精とは生きるためのエネルギーのことで(生命力)、両親から受け継いだもの(先天の精)と、飲食物を脾と胃の力でエネルギーに変えたもの(後天の精)の2つあります。

この精と呼ばれるエネルギーはすでに幼年期の頃から増え始め、正常に増えていくことで歯がはえ、髪の毛が伸び、年頃になり満たされると月経を起こしてくれます。

そしてこの腎精は年齢と共に増減していき、老年期になると腎精は衰え、性機能と生殖能力はこれに伴って減退・消失していきます。

 

このように腎精が満たされていると、正常に成長していくことができますが、腎の機能が弱まったり、腎精をむやみに消費すると月経に異常をきたしたり、不妊症に悩まされたり、年を重ねたときに更年期障害を引き起こしてしまいます。

不妊症の方の治療では、必ずこの腎精(エネルギー)を補うような治療を組み込みます。

 

そして“水を主る”とも言われており、体内の津液(水分)の貯蔵や運行、排泄をコントロールしてくれています。

腎の働きが元気であれば体内の水分調節は上手く行われ、一定の水分量をキープできていますが、働きが滞ると浮腫みや下痢、尿の排泄ができなくなります。

 

また“納気を主る”ともいって、肺に入った酸素を腎の高さ(腰から下)に下り納める働きを持っています。

お臍の下の丹田という場所まで深く呼吸を取り入れることで、呼吸が浅くならないようにしてくれています。

浅い呼吸は交感神経が働いている証拠。ゆったりと深い呼吸を行うことでリラックスへ導くことができ、結果全身へ血流に乗せて酸素や栄養を運ぶことができます。

 

腎の中の精(生命エネルギー)は、生命活動の源であり、元になります。

このエネルギーは陰と陽の2つにわけることができるのです。

 

以前「陰陽論」の回でご説明していますが、自然界の中に存在するものはすべて陰と陽に分けることができます。そして左右合わせて2つある腎も陰陽に分けることができ、また働きも左右の腎で異なります。

これらは陰の元、陽の元ともいわれるくらい、体の陰陽のバランスにおいてとても大切な場所。

陰である右に存在する腎は、その性質を使って体内の熱の発生を防いだり、滋養する働きを持ちます。

陽である左に存在してる腎は、体を温めたり成長を促すことが得意です。

 

 

腎は正常な成長に深く関わることから、その異常は骨や歯、脳にも現れてきます。

腎の働きが正常な時は骨や歯は丈夫で、また知能も正常ですが、働きが弱まると骨や歯がもろくなったり、小児の泉門閉鎖が遅くなったり発育不良が起こります。

 

また、その他にも髪や耳、唾などにも異常を出すことによって不調のサインを送ります。

髪の毛の艶がない、白髪が増える、脱毛、排尿障害や不妊、難聴などのような症状は腎の機能が弱まっているサイン。

年を重ねて白髪が増えたり、耳が遠くなったり、骨がもろくなったりするのは、年齢とともに腎精が減り、そのサインが髪の毛に現れているからなのです。

 

腎は「驚・怖」といった感情も主っています。

恐は物事に対して恐れる精神状態のこと。自覚のあるもの、おどおどした状態のことを言います。

驚は突然受けるショックのようなもので、自覚なく突然起こります。

これらは2つとも不良感情であり、気を下降させ、乱れさせる働きを持ちます。

 

腎とペアになっている「膀胱」。

膀胱はお臍の下にあり、腎の下、大腸の前に存在している腑です。

 

東洋医学でも、膀胱は袋状をしていて、尿を貯めたり出したりする働きを持つとされています。

余分な津液(水分)や食べ物のカスの中の水分から尿を作り、膀胱に一定時間貯めた後、大鯨へ排泄する働きを持っています。

 

 

以上で五臓六腑の各臓腑の働きのお話は終わりです。

東洋医学で面白いところは、感情や色、季節といったものまで臓腑に関係していると考えるところ。

逆に難しいところは、一つの働き(水分を作る、気を巡らすなど・・・)に関して、いくつかの臓腑が関わって働いていること。

だから東洋医学で治療をする際は、症状が出ている1つの臓腑だけを治療するのではなくて、そこに関係するいくつかの臓腑を同時に治療してあげないといけないのですね。

 

西洋医学と東洋医学、うまく使い分けて選択してください(^^)

2017.11.02東洋医学とは part6

前回は女性に是非知って頂きたい「脾・胃」をご紹介しました。

今回は「肺・大腸」。

私の中では存在が薄い方の「肺・大腸」ですが、やはりとても大事な仕事をしてくれています。

 

肺は五つの臓と六つの腑の中で一番高位にあり、外邪(外からの病気の原因となるもの)の影響を受けやすい臓であることから、「嬌臓:きょうぞう」ともいわれています。

 

嬌=きゃしゃ、か弱いという意味です。

 

肺には百脈が集まるとされていて、管理と調節を担い体のバランスをコントロールしてくれています。

①呼吸を調節する

②気の流れを調節する

③血の運行を調節する

④津液(水分)の運行を調節する

 

 

人間の体は「気・血・津液」で構成されているとされているので、肺は私たちが生きるのに必要なものすべてのコントロールをしてくれているワケですね。

 

肺が元気でこれらの仕事を正常に行えている時は、呼吸はよく通り、外からのウイルスの侵入(外邪の侵入)には外へ発散し対応することができます。

 

逆に機能が低下してしまうと、栄養不良や汗の異常、鼻水が出たり鼻詰まりを起こします。

また尿が出にくくなり咳や痰が出るといった異常が現れます。

 

肺は皮毛(皮膚・体毛)を司っており、外からのウイルスや病気の元となるもの(外邪)から体を守る役目があります。

この働きのおかげで皮膚は適度に潤いを保持することができますが、肺の機能に異常をきたすと皮膚が乾燥したり、湿疹や皮膚アレルギーを起こしてしまいます。

 

また肺は鼻・涕(はなみず)と深い関係があるので元気な時は呼吸、嗅覚、発声を正常に行うことができますが、機能が弱まると鼻詰まりやくしゃみ、嗅覚が異常になる等の症状が現れます。

 

そして、肺は「憂・悲」という感情を司る臓なので悲しみすぎたり、憂いてばかりいると気を損傷してしまうためにため息が多くなったり、胸がつかえて苦しくなったりします。

辛い物を食べ過ぎると肺を痛めてしまいますので気をつけてください。

 

 

肺とペアになっている大腸は、東洋医学でも回腸から肛門までの腸のことを指します。

大腸は小腸が飲食物を必要な物・不必要なものに分別したもののうち、不必要なものだけを受け取り、その中から余分な水液を再吸収して、便として末端に送り外へ排出します。

この働きは、胃と肺の下へ降ろす力と協力して行われているので、大腸・胃・腎の誰か一人でも弱ってしまうと正常に行われません。

 

 

 

このように、肺って実はすごい働き者なのですが、肝や脾、腎などに比べると私の中ではどうも存在感が薄くなってしまいます。

ですが復習することで肺の機能の重要さに気付くことができますね。

また、治療に取りこんでいきます(^^)

辛い物の食べ過ぎ、悲しみすぎ、憂いすぎはやめて、肺を大切にしていきましょう。

次はラストの腎です!あと1回、お付き合いくださいませ。