ブログ

2018.04.17生理が遅れる人の不妊治療

こんにちは!

女性専門鍼灸師  LuLie鍼灸院の楠田由佳です(^^)

先日逆子治療をした30週の方から、頭の位置が戻っていました~と嬉しい連絡をいただきました。

こういう報告は励みになりますね♬嬉しい!!

 

さて、不妊鍼灸をする際に生理周期への対応ははとても大切な項目です。

25~38日が正常周期と言われていますが、

ホルモンの分泌異常や甲状腺の分泌異常があると、この周期から大きく外れたり、不安定な周期になったりします。

 

私は月経開始日から排卵までの日数を14日、もしくは14日以上になるように整えていくようにしています。

まずは生理周期が40日間隔で来る稀発月経(きはつげっけい)について。

 

稀発月経とは周期が40日間隔と遅れがちの生理のこと。

字の通り、月経の発生が稀(まれ)なのです。

初潮が始まる時期や、40代以降の閉経期は周期が安定せずに乱れがちになるのですが、

それ以外の時期で比較的周期が安定してくる20~40歳前の時期に、

周期が39日以上に延びる場合はまず婦人科の受診をするべきでしょう。

ホルモンの分泌異常や、甲状腺機能異常、強いストレスが関わっている場合もあります。

 

この稀発月経を東洋医学で診ると・・・

弱りタイプ(虚証)詰まりタイプ(実証)に分けられます。

 

弱りタイプの人の多くは、生まれつき虚弱体質であったり、長期的な不調により胃腸の働きが弱くなっているために、

食事から栄養などのパワーを吸収できなくなっているのです。

 

子宮=コップとしましょう。

コップの中に少しずつ血が溜まっていきます。コップの中の血がいっぱいになり溢れることで生理が始まります。

弱りタイプの方はこのコップに溜めるべき血が作れないことで、生理を起こすことができないのです。

 

◆初潮が遅かった

◆生理中下腹部が冷えて痛い。温めると和らぐ。

◆経血はさらさらとして色は薄い

◆生理がだらだらと始まり、1~2日目に生理痛がある

◆唇の色は薄紫、または薄ピンク

◆めまい、立ち眩みがある

◆少食、またはご飯を中心に食べる(魚や肉の摂取量が少ない)

少しずつ、少しずつ食べ物からのパワーをもらい、

血液を作れるような体にしていかないといけません。

弱々しい体では赤ちゃんを育てられませんからね。

まずは消化の悪いもの揚げ物や油分の多いクリーム系の料理などを控える、

冷たいものを摂らない、

お肉は鶏肉や豚肉を中心に食べる(それでも胃が張る方はミンチ肉から)

工夫して、少しずつ食べ物からの血の原料を吸収できるようにしましょう。

お臍とみぞおちを結んだラインの真ん中に、へそ灸(←レンジで温めるタイプのやつ)を置くのもオススメです!

消化機能を高めて、しっかりパワーを作り込みましょう。

まずはそこからです♪

 

 

 

 

 

↓こちらでも施術しております

 

 

2018.04.02逆子の治療

最近は逆子の治療が続いております。

なぜか逆子治療は20代の妊婦さんの治療はあまりなく、30代の妊婦さんがほとんど。

妊娠30週くらいまでは子宮の中にまだゆとりがあるために、赤ちゃんの頭の位置はくるくると変わります。

通常赤ちゃんの頭はお母さんのつま先の方向に向いているのですが、体が大きくなり子宮の中で動くスペースがなくなると、頭が上の位置のまま戻れなくなってしまいます。

 

逆子の治療として外回転術などがありますが、リスクのことを考え取り入れていない産婦人科も多いようですね。

 

原因としてはお母さんの骨盤の狭さ、臍の緒が短いなど、色々とあげられております。

赤ちゃんの頭の向きによっても色々名前はついていますが、治療方法に違いはありませんのでこちらでは詳しくは記載しません(^^;)

※知りたい方はネットで検索してみてください。

鍼灸師が逆子の治療を行うときは「冷え」を取るためにお灸を使います。

 

しかしお灸をする前にしなくてはいけないことが・・・

お母さんの体を緩めること!!

スペースのない窮屈な子宮のままでは、どんなに逆子体操やお灸を頑張って行っても戻らない。

子宮も筋肉ですから、お母さんが緊張したり難しいことばかり考えて交感神経を使ってばかりいるとお腹も血管も縮こまってしまいます。

 

なので逆子の治療で必須なことは

お母さんにリラックスしてもらい緩んで頂くことです。

 

リラックスすると血管も全身だけではなく子宮の筋肉もゆるむので、体操やお灸の効果も出やすくなります。

さてお母さんの骨盤やお腹の硬さ、冷えの状況を確認したら治療スタートです(^^)

 

使うツボは血の病を治すツボ、子宮の位置を戻すツボ、体を温めるツボ、状態に合わせて心をリラックスさせるツボなども使います。

逆子のツボとして有名な至陰ももちろん使います。

 

一度で赤ちゃんが戻ることもあれば、数回治療しても戻らない場合もあります。

戻るか戻らないかは赤ちゃんが決めるのでしょうね。

 

もし治療をするのであれば32週までには受けることをおススメします。

34週でも戻る赤ちゃんはいらっしゃいましたので、一度お近くの鍼灸院に相談してみてはいかかでしょうか(^^)

2018.01.05小児四肢疼痛発作症

明けましておめでとうございます。

昨年は沢山の方に助けて頂き、目標の一つであった「不妊治療・産前産後のケアに特化した鍼灸サロン」を始めることができました。

今年も更に精進を重ねていきますので、よろしくお願い致します。

 

 

さて、昨年末にこんなことがありました。

昔からの友人であるYさんが治療に来られている際に、最近また子供の癇癪が酷くて困っているというお話になりました。

そして何より、自分自身が幼少期の頃に困っていた症状が最近子供にも発症して不安なのだと。

 

その症状というのは、

・疲れたり寒くなると下半身の全面が痛みだす

・しばらくさすっていると楽になるが、痛む部分が同側・左右の足で移動する

・大人になるにつれて痛みが出ることは少なくなった

というもの。

 

さすって温まるということから血行障害かと思いましたが、痛みが左足から右足へ変わることから病変がどこにあるか見当もつきません。

知り合いの治療家の方に聞いてみたり、医学書を開いてみましたがさっぱりです。

 

そんなとき、Yさんから「もしかするとこれかもしれない」と連絡がきました。

それが「小児四肢疼痛発作症」という疾患の研究発表のデータでした。

 

この疾患は2016年5月に京都大学の小泉昭夫教授らの研究グループによって発表されました。

発表によると、昔から疳が強いといわれている子供の中には、遺伝子変異が原因で外的要因(寒さ、天候の変化)や体調不良、疲労などにより手足の痛みが誘発されやすい子がいるというものでした。

 

 

この疾患の特徴として

✔乳幼児期に発症する

✔手足や、手足の関節に起こる発作的な痛み

✔青年期にはほぼ痛みはなくなる

✔寒さ・悪天候で痛くなる

✔遺伝性がある(親族にも同じ症状をもつ人がいる)

という点があるそうです。

 

 

診断の確定には遺伝子検査が行われます。

ただし遺伝子検査を行ったとしても診断がつくことは50%以下。

よくわかないこともあるそうです。

 

そして現在この疾患に対する根本治療は不明で、痛みに対してはロキソニンや抗炎症性鎮痛薬や温罨 法(おんあんぽう)などで対処的に痛みをコントロールしていくそうです。

 

Yさんはお子様がまだ小さいこともあり、現時点での遺伝子検査はされていませんが、

京都大学の小泉昭夫教授によるとYさんもお子様も小児四肢疼痛発作症ではないかということでした。

 

 

Yさんは

「痛いと訴える子供をどうにかしてあげたい。自分も小さい頃から痛みが出て辛かったから娘の気持ちがよくわかります。

でもどこに行ったらいいかわからない。レントゲンを撮っても、検査をしても骨にもどこにも異常がないから、どうしたらいいか分からなくて・・・。それが辛いです。」

とおっしゃっていました。

 

親にとっても、自分にとっても、どうして痛いのか、どこが悪いのかわからずに痛みと向かうことも精神的にも辛いのです。

 

 

少し前まではただ疳が強い、癇癪持ちと大きなグループにひとくくりでしたが、このように日々研究が進み、泣きじゃくる子供も中には遺伝子の変異という原因があるということがわかりました。

現在、小児四肢疼痛発作症に対する根本的治療は研究段階ですが、この疾患の発見によって、痛いといって泣きじゃくる原因が分からないまま過ごす辛い状況は緩和されることと思います。

 

この疾患の痛みに対して、鍼灸師の私は何ができるのか・・・。

まだまだ勉強が必要ですね。

 

もしかして私も?!とピンと来られた方は是非こちらをお読みください↓↓

【京都大学 発表   小児四肢疼痛発作症について】

http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2016/160527_1.html

 

 

 

2017.12.15妊娠前から育児は始まっている

こんにちは。鍼灸師の楠田由佳です。

ここ数日はぐっと冷え込みましたね(;’∀’)

 

さて、12月26日でLuLie鍼灸院をオープンして半年になります。

このような小さなサロンにもかかわらず、友達の紹介でもなくご新規で来て下さる方もいらして、感謝しかありません。

オープン後、半年で4名の方から「妊娠反応がでました」とご報告いただきました。

連絡を頂いた瞬間、私まですごく嬉しくなります!本当におめでとうございます!

きっとこんな短期間で結果がでるということは、私のところで治療しなくても、もともと赤ちゃんを授かる力はお持ちだったのだと思います。

 

 

さて、わたしは妊娠前、妊娠中、産後のケアを一貫して行うことがとても大事だと考えています

 

まず着床・妊娠、そして出産にはとてつもなくパワー(栄養・気血)が必要です。

栄養・気血、そして精神面・・・すべての土台がしっかりと固まっていらっしゃる方は、妊娠初期から出産まで元気に過ごされている方が多いです。

逆に体の土台がぐしゃぐしゃ・ゆるゆるの体のままの妊娠されると、マタニティ期・出産後の不調やトラブルが多くなります。

だから妊娠前から体を整えておく必要があるのです。

 

 

妊娠すると、どんなにどんなに補給しても、お母さんの栄養は赤ちゃんの成長にぐんぐん使われます。

栄養と気血は、妊娠中だけに限らずいつも補給して満たしておかなければなりません。

 

栄養と気血が足りていないと、月経前の不快症状が強くなったり(PMS)、精神的に不安定になりやすくなります。

●疲れやすい

●肩こりや頸のこり感が強い

●不安感を感じやすい

●髪や肌がぱさぱさ

 

こんな方は栄養と気血が足りていない証拠です。

 

栄養・気血が足りていない状態のまま、運よく妊娠できたとします。

体がすかすかのまま出産を迎え、育児へ突入してしまうと・・・そこはもう想像を絶する戦場なのです。

 

赤ちゃんとの生活は可愛いだけではありません。自分のタイミングでできないこと、思い通りにできないことしかありません。

睡眠不足も続きます。朝までぐっすり寝ることができると奇跡が起きたとさえ思う日々です。

小さな赤ちゃんの命を守っているので、知らず知らずのうちに日々緊張状態が続きます。交感神経が24時間フル活動なのです。

 

そんな過酷な毎日を、栄養不足・気血不足の体のままいつまで耐えられるのでしょうか。

だんだん気持ちが滅入ってきて、わけもなくイライラしたり泣きたくなったり…。

いつも気持ちが不安定、めそめそしてしまう、そんなお母さんと接していると、子供も同じように精神的に乱れやすくなってしまいます。

 

そうすると負のスパイラルですね((+_+))

 

そんな時は、まずご自身の体を大切にしてください。

おいしい物を食べる(お菓子やスイーツではなく)、旦那さんに一晩子供を預けてぐっすり寝る、マッサージを受けに行く・・・。

 

お母さんの体を妊娠前から整えておくことは、産後の育児を楽にするためでもあります。

育児は妊娠前から始まっているのです。

冬は気血・精力を貯金する季節!

ギスギスの育児にしないために、妊活中の方・妊娠中の方は出来る限り早く寝てください。

夜間の授乳で寝れない方も、赤ちゃんが寝た後に携帯やテレビを見て過ごすのではなく、少しでも一緒に寝てくださいね。

 

2017.11.30冬の妊活

こんにちは!

気付けばもう12月ですね。いよいよ冬本番です。

これからの3ヶ月間は来年の春にのびのびと過ごすためのパワーを貯める大切な期間で、妊活に取り組んでいらっしゃる方には特に大切な季節です。

 

冬は「蔵:ゾウ」の季節と言われています。

字の通り、秋に収穫した作物を蔵に貯蔵するようにエネルギーを貯めこむ季節なのです。

冬の3か月の間に、しっかりと陽気(温かいエネルギー)陰分(血液や体内の水分)を体に蓄えておかなければなりません。

 

冬の妊活ポイントは「早寝・足元の保温・汗を沢山かかないこと。

 

足元の保温は「陽気」を逃がさないようにするため、また冷気の体への侵入を防ぐためです。

東洋医学では血液や水分などの「陰分」は夜寝ることで作られ補充されていくとされているので、早寝をして睡眠時間を出来る限り長くしましょう。

 

また妊活には運動がよいと聞き一生懸命運動されている方もいらっしゃいますが、冬の養生法にのっとってみると、汗をかくほどの運動はお勧めしません。

冬は朝の太陽を浴びながらの軽めの散歩や、家でのストレッチのような汗をかかない程度の運動がおすすめです。

これは汗とともに気血が消耗してしまうのを防ぐためです。

 

✅基礎体温がガタガタの方

✅生理の時の出血量が極端に少ない方

✅肩や首のコリが強い方

✅目の疲れが酷くドライアイの方

✅疲れやすい方

 

こんな方は気血が足りていない方です。

早寝生活を実践してみてください。寝る時間は早ければ早いほど良いです。

 

 

そして冬は「」が主さどる季節でもあります。

腎は東洋医学では腎は生命活動や妊娠・出産に関わるとっても重要な臓

特に妊活中の方の妊娠する力、妊娠を維持する力を養うためには腎を補ってあげることが必要不可欠なのです。

 

腎を補う方法としては食事やツボへの刺激があります。

「湧泉:ゆうせん」は生きるためのエネルギーが湧き出るツボとされています。

お灸で温熱刺激を与えたり、指で2~3秒ほど押すなどして気持ちの良い刺激を入れてみてください。

 

 

そして腎を養う食材としては

✅黒豆や黒ゴマなどの黒い食材

✅わかめや昆布などの自然のしょっぱい食材

があると言われています。

少しずつ献立の中に取り入れてみてください(^^)

 

実はこの腎を補う食材ににプラスしてほしいのが、お肉や魚、卵などの「タンパク質」です。

タンパク質は筋肉や爪、髪などを作るだけではなく、免疫やへモブロビンの原料にもなる主成分。

ついついご飯やパスタなど炭水化物の比率が多くなってしまうのですが、「タンパク質>炭水化物」が理想のバランスです。

特に高温期でも基礎体温が低い方には、タンパク質をしっかりと取り入れてほしいのです。

 

ただしタンパク質の過剰摂取は腎臓に負担をかけてしまうので注意も必要です。

食事にしっかりと取り入れているのにも関わらず、プロテインなどでさらに摂取することはやめましょう。

 

これらは今すぐ自分で始められる妊娠治療ですね。

冬が勝負です!

 

 

12月はイベントも多く日々忙しくなります。寒さも厳しくなり体調を崩してしまう方も多いです。

皆さま、どうかご自愛ください。

2017.11.20なぜ、今さら小児鍼?

小児鍼って、ご存知ですか?”赤ちゃん鍼”や”こどもの鍼”とも言われたりしています。

小児鍼は大阪発祥の技術で、小児鍼専用の器具を用いて軽くさすることで刺激を与える鍼の一種です。

刺したりせず、さするだけだから受けている本人も気持ちがいい。

そして親は注射のように、「痛ーいっ!」と泣き叫ぶ子供を見ずに済むから心が痛みません(^^)

 

私は娘に0歳の頃から定期的に小児鍼をしています。

きっかけは夜泣きでした。

 

抱っこでしか寝付かない、やっと寝付いて布団に寝かせても30分ほどで起きる、だから昼でも夜でも胸の上で抱っこしたまま寝かせていました。

始めはすべてが可愛くて愛おしくても、そんな状態が半年以上続くとさすがに疲労とイライラが溜まります。

主人は娘が隣で泣いていても起き上がろうともしないので、余計に腹が立ちます。

 

だから小児鍼を始めました。

小児鍼をしたからといって、急に「朝までぐっすりでした!」なんてことはありませんが、徐々に30分が1時間になり、1時間半になり、布団に寝かせても寝てくれる時間が長くなっていきました。

 

それは小児鍼のおかげだったのか、ただ成長により寝方を覚えて長くなったのかは正直分かりませんが、それでも私自身の気持ちが楽になっていったのは覚えています。

現在2歳半になり夜泣きがなくなった今でも、鼻詰まりがひどい時、夜中に咳がひどくなる時など、風邪症状の時にも行っています。

 

小児鍼で治療できる症状は沢山あります。

 

①睡眠障害:夜泣き、夜驚症

②異常興奮:よく怒る、よくケンカをする、人をかむ、物を投げつける

③摂食不良:食べない子、口内炎、腹痛、便秘、下痢、好き嫌いの多い子

④排尿障害:夜尿症

⑤呼吸器系の症状:小児喘息、風邪、扁桃腺炎、鼻炎

⑥その他:アトピー性皮膚炎、湿疹、チック症、どもり、中耳炎など・・・

 

ここに載せていないものもあります。

 

ワクチンの完成のおかげで小児の疫病の流行は少なくなりましたが、その分子供が獲得していかなければならない免疫力が低下してしまっています。

大人になってストレス社会の中に身を置くようになると、その免疫力の低下が顕著に現れます。

 

自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスを整え免疫力を高める、しかも気持ちの良い方法が小児鍼なのです。

 

 

誰のために受けさせるのか…答えは母親です。

医学が進歩しワクチンも普及した今、なぜ小児鍼なのか。

もちろん子供の免疫力獲得も大きな理由の一つですが、小児鍼は虐待予防にもなるからです

 

近年、毎日のように親からの虐待によってなくなる子供のニュースが後を絶ちませんよね。

虐待の原因は色々ありますが、それまで大切に可愛がって育ててきた両親が少しずつ変わってしまう、その初めはとても些細なことから始まると思います。

 

「寝ない」「食べない」「自分の思い通りにならない」「よくケンカをする」

これは半健康状態といえます。

病名がつくわけではありません、実際病気でもありません。けれど、すこぶる健康というわけでもない、そんな状態。

この半健康状態が長く続くと、精神的に親はゆとりをなくしてしまいます。

 

特に妊娠・出産した後は、子供と2人で狭い世界にいるような気がする時期ですよね。

睡眠不足・思い通り物事が進まない、しかもいつ終わるかもわからないイライラがたまるしんどさを、男性には理解してもらえないと思います。

 

小児鍼をするとよく寝る、食べれるようになる、丈夫に育ってくれる。

そうなると、すこーしだけ気持ちが楽になります。可愛い子供を、大きな気持ちで見守ることができます。

 

また治療を受けるために外へ出ます。小児鍼を受けるのだから、鍼灸院側も赤ちゃんが泣いていても気にしない。

お母さんの気分転換にもなります(^^)

 

 

整体でも子供の治療は親の治療ともいいます。

親は子供の鏡だから、イライラしたり、気が立ってると子供までそうなってしまう。

実際、幼い頃からの両親からの養育態度(特にお母さんの態度)と、腰痛や肩こりなどの疼痛には関係があると研究結果が出ています。

そのくらいお母さんの子供に与える影響は大きいのです。

 

子供のため、お母さん自身のゆとりを生み出すものが小児鍼です。

 

2017.10.27東洋医学とは part5

こんにちは!

先週末の台風はとても勢力が大きかったですね。大阪に来て10年になりますが、こんなに台風が怖いと思ったことは初めてかも・・・。

みなさまの周りは被害ありませんでしたか?

 

さて、今日は女性にはよく知ってほしい「脾・胃」のお話です。

不妊の方の治療をする時だけではなく、女の人の体を診るときはとても重要なポイントとして診ています。

それはなぜか・・・さっそく始めます!

 

脾は横隔膜の下あたり、胃と同じ膜の上にあるとされています。

形は馬蹄のような三日月のような形をしていて、飲食物の消化に深く関わり、気・血・津液(体の水分)の大元とされています。

 

西洋医学的な脾(臓)のとらえ方は免疫や造血、血液の貯蔵に関わるとされているので、東洋医学的なとらえ方と大差はありませんね。

 

東洋医学的な脾の働きのとらえ方は

〇食べた物をエネルギーの元に変換する

〇内臓が下がらないようにつなぎとめる

〇栄養物質を全身に運ぶ

〇吸収した栄養や水分を全身に運ぶ

〇血が脈外へ漏れ出さないように調節する

 

なかなかの働き者です(^^;

これらの機能によって、私たちは手足を正常に動かすことができ、各臓腑の間で繋がっている経絡が正常に流れるのです。

 

もしもこんな働き者の脾が過労で弱ってしまい、正常に働くことができなかったら・・・

 

食欲は弱まり、食べても消化不良を起こして栄養を吸収できなくなります。

栄養を吸収できていないので肌肉は痩せ、エネルギーがないのでいつも無力感があり、動くとすぐに疲れてしまう。

内臓を持ち上げる力がなくなってしまうので胃下垂や子宮下垂、脱肛なども脾の機能低下による症状の1つです。

月経の際に血量が多かったり、周期が短い(月経過多)のは、脾の血を固める力が弱まっていることが原因と考えます。

 

脾は「思(う)」という感情を司っています。思うとは思慮・思考のこと。

考えすぎや憂鬱が続くと脾が痛み、気の運動を妨げ、気滞や気結を起こしやすくなります。

気滞は文字の通り「気が停滞」してしまうことですが、この状態になると胸や脇が苦しい感じになり息苦しさを感じたり、お腹が張ってきます。

 

冒頭に、特に女の人に知ってほしいと言ったのはこのことなのです。

少し先のことにも備えておきたい習性をもつ女性は、考え事がとにかく多い。私もそうです。

そしてまだ起こっていない2歩も3歩先の心配も自ら探して、作って、また考える項目を増やしてしまう傾向があります。

こんなことをしていたら脾は24時間勤務をしているのと同じなので、慢性的に疲れてしまいます。

 

考え事は減らし、先のことは1歩先のことだけを考えましょう(お仕事は別として)。

それくらいが、女性にはちょうどいいのかもしれません。

 

脾の状態が現れる体の場所として、口や唇、涎(よだれ)があります。

食べることと深い関係があるため、すべて味覚に関係していますね。

唇は気血の状態を表すので、唇が割れやすい、血色が悪い(色が薄い、青紫色)唇をされている方は脾の機能が弱まり、気血が足りていない状態の方です。

 

脾とペアである胃の働きは食べた物を受け入れ、消化し、そして小腸に降ろすことです。

そのことを東洋医学では「受納・腐熟・通降」といいます。

 

食べた物を胃に受け入れ、消化し、小腸へ送ることで新たなスペースを作り、また食べ物を受け入れることができ、私たちは生きるための血や水分や気を作ることができるのです。

もし胃の働きが弱まり、この一連の働きが低下してしまうと、しゃっくりや胸やけ、吐き気として体に現れます。

 

 

 

そして、脾と胃が消化するものは食べ物だけではありません。

嫌なこと、不快に感じたこと、あなた自身に起こった物事すべてのこと指します。

 

納得してすっきりする様子を「腑に落ちる」と表現しますよね?腑は臓腑の腑です。

自身が納得出来ていないことは、ずーっと頭や心やお腹にとどまり、停滞して、そして体を傷つけてしまっているのです。

もちろん、全てのことをきれいさっぱり終わらせることなんてできませんが、

それならそのことに捕らわれるのをやめて断つ努力をしましょう。それはあなたの体のためでもあります。

 

不妊治療に来られる方や、どこかに不調を抱えている方はこの考えすぎ・物事の消化が得意ではない方が多いと思います。

考えを断つ・減らす努力をしていきましょうね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2017.10.22東洋医学とは part4

こんにちは。鍼灸師の楠田由佳です。

ここしばらくはお灸講座のリーフレット作りや、娘の看病でばたばたしておりました(^^;)

 

東洋医学を知りたいという方向けのシリーズなので、興味のない方はスルーしてくださいね。

ですが、こうやって東洋医学について教科書やノートを開いてまとめていると、やはり勉強にもなって、患者様に説明させて頂く際に伝えやすくなってきました!

 

資格を取ってからが、本当の勉強の日々ですね。

では早速本題に入りましょう!肝と胆のペアの次は「心・小腸」のペアです!

 

心は肺の下で横隔膜の上に位置していて、4本のつり糸が出ており、他の4つの臓(肝・脾・肺・腎)に通じているとされています。

 

心の仕事は

①血脈の流れをコントロールすること

②精神活動を支配すること

 

 

血を押し出し、血脈中を運行させ、体の中の各組織・器官に栄養を送り届けてくれます。

正常に働いていると脈(拍動)は規則正しく打ち、力強く滑らか。

しかし心の働きが弱まり血脈がスムーズに流れなくなると・・・

脈は弱く、渋るような、ぎこちない脈となります。不整脈の方に多くみられます。

 

また精神活動を支配しているので、心の安定と調和を保ってくれるように働いてくれています。

そのため心は「神(精神)」を宿すとも言われています。

 

心の働きが正常で血で満たされている時、私たちの精神は安定し、思考は正常に働きます。

問題に対しても思考がよく働きますが、機能が弱まってくると不安や焦燥感にかられたり、不眠や夢を多く見るなど睡眠にも症状が現れます。

 

心の健康状態は顔・舌・汗など場所に現れます。

心が元気に働いてくれていると、顔は艶が出て潤いがあり、味覚は正常に働き、自分の精神(考え)を伝えるために舌を使って話すことができます(^^)

心が元気ない時ってありますよね?そんな時、今日は顔が暗いね~なんて言われたことありませんでしたか?

心の状態は顔に現れます。

 

他には喜びなどの働きも備えています

「心の汗」と例えて言ったりもしますが、臓象学説では心は汗を司るとしていて、温度や運動量に合わせて汗の量を調節してくれるといわれています。

また心は「喜」という感情を司っています。

喜ぶという感情は、人体に対していい刺激を与えてくれる感情ですが、喜びすぎるとかえって心神を傷つけてしまいます。

嬉しいことがあった時こそ、気を引き締めないとですね。

 

 

心とペアを組んでいる小腸は胃の下口(幽門)に接していて、食べ物を入れ、大腸の上口と接するとされています。

体の中の位置関係といい、西洋医学的な小腸の概念とほぼ同じですね。

小腸の働きは

1・胃から送られて飲食物を受け取り、更に消化してエネルギー(水穀の精微)と変化させること

2・その消化した飲食物を、人体に有益なものか・不要なものかに分別すること

 

 

食べた物を消化し、エネルギーに変え、必要のないものは水分と混ぜて便として排泄させるのが小腸の働きです。

小腸の働きが悪くなってしまうと、下痢や下腹部痛・尿の異常(血尿や排尿時通)として現れます。

小腸は、西洋医学でも東洋医学でも消化と排泄に関係しているとされているので分かりやすいですね(^^♪

 

心と小腸ペアについては以上です!

東洋医学シリーズはマニアックな方向けなので、長引かせたくないのですが・・・

次のペアは女性にとってとても重要な場所なので、濃く濃くお伝えしたいなと思います。

 

 

2017.10.04東洋医学とは? part3

こんにちは!

息抜きに違うテーマをいくつか挟みましたが、そろそろ東洋医学シリーズを再開していきたいと思います。

 

次にご紹介する理論は臓象学説といって、臓腑にはそれぞれ役目や関係の深い器官があると考えて、「今不調を起こしているのはどこの臓腑かなぁ~」と考えていく理論です。

私たち鍼灸師は患者さんの訴える症状や、体に現れているサインを読み取って、どこの臓腑がどんな病によって弱っているかを考えて治療方針を組み立てていくので、この考え方はとっても大切です。

 

「臓=内臓」「象=外に現れている内臓の不調サイン」

 

人の不調や病の現象を観察して、各臓腑と照らし合わせることによって、その相互関係を解き明かす理論のことです。

はるか昔の人たちが解剖を行うことで得た解剖知識や、症状とその原因の関係性を長い歴史をかけて観察して得た知識と経験から成り立っています。

 

臓腑とは内臓の総称のことで、「肝・心・脾・肺・腎」の五臓と、「胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦」の六腑を指します。

この五臓六腑にはそれぞれペアとなる相手がいて、ペア同士・ほかの臓腑同士でお互いにバランスを保ちつつ、助け合ったりして正常な働きを行っています。

 

まず、肝と胆のペアからいきましょう。

肝の働きは「気血が止まらないように動かすこと」です。

中に取り込んだり外に出したり、上にあげたり下にさげたり常に気血を動かし巡らすことで、人が正常に生命活動を行えるのです。

 

そしてもう一つの働きは「血を貯蔵する」こと。これは西洋医学的な解剖と同じですね。

イラストは肝が関係している(司っている)器官や物事を集めたものです。

体の器官だけではなく、感情や意志、味覚や季節などもあります。こういう点が西洋医学と東洋医学の大きな違いです。

 

さて肝の働きがスムーズに行われていると、筋肉はスムーズに動くので機敏に力強く動くことができます。

爪はほんのり赤く艶があり、硬さもあるので簡単に割れたりもしません。目は適度に潤いを保つことができ、ドライアイになることもなく物事がよく見えます。

 

しかし何らかのことが原因となり働きが弱くなると・・・

イライラしやすくなったり、爪が白く割れやすくなったり、肝の病(肝硬変など)におかされ目が黄色くなったり、肝に関係する器官にサインが現れるようになります。

 

なんのこっちゃかと思いますか?

運動後にたくさん筋肉を使った後、疲労回復には梅干しやクエン酸を摂取すると良いとされていますが、どちらも酸っぱいもの。

青春のことを「青い春」と、春といえば世間一般的なイメージではピンクですが、青を使って表現しています。

気づいていないうちに、実は臓象学説に触れてたりします。こう考えると、すこーしだけ身近に思えてきますよね。

 

 

もう一つ、肝とペアとされている「胆」の働きは「胆汁の貯蔵と排泄」。

胆汁は脂肪の吸収を助ける分泌液です。このことから、食べたものをスムーズに消化にするために大切な場所です。

そして「決断を司る」ともいわれています。

肝が巡らした考えを、胆が決断を下すことで行動力の源となるのです。胆の働きが低下するとよくため息がでたり、頭の中であれこれ考えはするけれど中々決断を下せず、行動に移せなくなってしまいます。

 

 

ものすごくイライラしたときに、「腹が立った」「カッとして頭に血がのぼった」など、実際怒ってもおなかは立ってないし、血がのぼっているわけではないけれど、昔から日本人は身体を使ってこんな風に例えてきました。

 

このことを鍼灸の学校の授業で教えて頂いたときに、わたしは東洋医学をとても身近に感じ、そしてもっと知りたい、深く勉強したいと思いました。

 

難しそうな東洋医学ですが、みなさんに少しでも知って頂いて好きになってほしいです(^^)

2017.09.27ベビ待ちの方が、してはいけないこと

今日は、いつもと少し違ったことをお話ししてみようと思います。

 

「赤ちゃんを望む女性が、特にしてはいけないこと」

みなさん、何だと思いますか?

冷えないようにすること?食事に気をつけること?妊活にばかり捕らわれないこと?

それももちろん大切です。

 

もっとしてはいけないこと・・・

それは「悪意を持つこと、向けること」です。

 

お腹の大きな女性を見た時・・・

マタニティマークをつけている方を見たとき・・・

モヤッと、くろーい感情が芽生える時ありますか?または、ありましたか?

 

 

例えば「お腹が大きくなってまでマタニティマークつけて!つけなくても分かるじゃない!」

 

もちろんこれは例えです。意地悪な考えは、今すぐ捨ててしまいましょうね。

そんな人いませんよー!と思うかもしれませんが、悲しいことに、ごくごくたまに、ほんの数人いらっしゃるのです。

妊活期間が長ければ長いほど余裕もなくなってしまうものなので、当たり前といえば当たり前なのですがー・・・。

 

 

 

脳と悪口の関係をご存知ですか?

悪口を口に出せば出すほど、自分のストレスは増えるし、老化へと進んでしまうそうです。

それは、脳は主語を理解できないので、口に出した言葉はすべて自分に言われているのと同じ状態になってしまうから。

そして、悪口を言われた脳はストレスホルモン(コルチゾール)を大量に放出してしまいます。

 

妊活にストレスはよくない!と心がけているのに、人のことを悪く言うことで無意識のうちにストレスを生み出してしまっているのです。

雑談ですが・・・

仏教の世界でも人のことを罵ったり、愚痴をこぼしたりすることは自分自身を汚すものだと説いています。

それは口に出さずに心の中で思っていたとしても、人には聞こえていないだけで、口に出すことと同じ罪だそうです。

 

脳科学的に見ても、宗教的に見ても、人のことを悪く言うことに何ひとつメリットなんてないのですね。

 

 

では、どうすればいいか。

妊娠されている方をみてモヤッとしたら、将来の自分だど思って心の中で声をかけてあげましょう。

「よく頑張ったね。おめでとう。もうすぐあなたに会えるね。ありがとう。」

 

相手に話しているように見えて、自分へ声をかけていることになります。

しかも肯定的な言葉を出すことで、幸せホルモンが分泌され、体にも心にも良いことづくしです。

 

 

「私もあんな風に赤ちゃんを授かりたい」と羨ましく思う心や、

「どうして私のところには赤ちゃんは来てくれないんだろう」と不安や悲しい心を持つことはごく自然なことです。

それは赤ちゃんを望んでいるからこそ生まれる気持ちなので、大切に大切に覚えていてください。

赤ちゃんが生まれた後、育児で大変なことがあっても、なかなか授かれなくて必死に耐えていた苦しさを思い出せば、大抵のことはどうでもよくなりますから。

 

 

体を変えることは簡単ですが、心や思考を変えていくのは大変で難しいです。

けれど、考え方ひとつで体が変わるなら、試したほうが得ではないですか??

どんなことにも悪意のある見方をするのではなく、優しい心をもつようにトレーニングしていきましょう。

わたしも、心のトレーニングしていきます(^^)

 

 

空のどこかで順番待ちをしてくれているあなたの赤ちゃんに、早く会えますように。